外資系企業から母国へ凱旋
たしかに、日本人の会社は、年功序列で、順番に給与が上がり、同期とはたいした額の差がつかない。社長になってもそんなに給与がかわらない。といった平等社会だった。その代わり、落ちこぼれても、雇用だけは守るという、セーフティ社会だった。
ベトナムのエクゼクティブサーチの人の話も聞いたことがある。米国に留学し、MBAなどを持ったベトナム人のキャリアの話だ。彼らは、シンガポールで仕事をして、外資系企業の幹部で仕事をする。そして実績をつくり、こんどは、ベトナム企業にCEOなどとして母国に戻ってくるそうだ。そのときの報酬は、一般のベトナムの水準を遥かに超えている。
アジアの国では、現地の役員やCEOとして雇用される人材は、こういう経路をたどって、鍛えられたスーパー人材だ。高いには理由がある。プロ人材に近い。
良くも悪くも、トップと現場の能力差の小さい日本とはまた違った構図がある。(大石哲之)