「誰にとってもいい会社」は存在しない
このように、「誰にとってもいい会社」は存在しない。あるのは「自分にとっていい会社」だけなのだ。「何をもって『いい』と考えるのか?」「この会社での仕事経験は、自分の将来に資するものなのか?」というふうに、自分で自分が大切にしたい判断基準を分かっておくことが重要である。
したがって、「多少ハードワークでプレッシャーも厳しく、世間から『ブラック企業』とも呼ばれているが、自分はそんな環境で成長したいし稼ぎたい。だから『ブラック企業』を選ぶ」という選択肢もあってよい。
もちろん筆者は、違法企業への就労を奨励しているわけではない。ただ、世間がいうところの「ブラック」をそのまま真に受けて、思考停止になることは避けてほしいのだ。
その会社があなたにフィットしていて、長く勤められるようならそれでよし。
もし、何かしらミスマッチがあって転職することがあったとしても、あなたの「ブラックと呼ばれるくらいのハードな環境で鍛えられた」という経歴は、転職市場において立派に機能するはずだ。ぜひ、自分自身の価値観を大切にして、仕事をしていってほしい。(新田龍)