大卒なのに「長方形の面積」計算法が分からない アジアで見た衝撃の低「数学・算数力」

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   日本人の英語力が非常に低いというのは世界的にも有名ですが、カンボジアに来ると、(英語力はともかく)日本人のその他の基礎学力はすごく高いなあと思います。

   それを特に意識するのが、数学に関してです。

   以前、フィリピンで大学を出ているスタッフに、「この壁にペンキ塗るから、縦横の長さを測って面積出しておいて」とお願いしたところ、そのやり方が全く分かっていなかったという衝撃の事実を目にしました。

   しかし、カンボジアでの衝撃レベルは遙かにそれを上回るようです。

割り算は壊滅的

ええっと、答えは・・・
ええっと、答えは・・・

   カンボジアで不動産業を営んでいる友人が聞いた話によると、カンボジアの最高峰の大学、王立プノンペン大学であっても、一般的な(専門ではない)数学のレベルは「算数。それも小学校3-4年」だそうです。

   実際、我々サムライカレーのカンボジア人スタッフもおつりの計算とかをよく間違えるのですが、まあ、できない。足し算、引き算、かけ算はともかく、割り算は壊滅的。

   率の計算もよく分かっていないので、うかつに「このチケットを持ってきてくれた方は10%引き」とかやると大変なことになります。(それゆえ、カンボジアではBuy1 Get1 Free(1個買うともう一個ついてくるよ!)とか、6本で5ドル!とかのわかりやすいセールが多いです)

   彼らがバカだからできないのかというと、決してそんなわけではありません。カンボジアは、USドルとカンボジアリエルの両方が実質基軸通貨として使われており、1ドルを出したら1000リエルおつりなんてことはよくあります。

   この1ドルは4000リエルと結構ややこしいのですが、多くのカンボジア人はこの計算はかなり正確に、あっという間に行います。慣れれば、強い。

   しかし、この国は先の内戦で先生が殺されてしまっており、教師が根本的に足りません。従って、小学校や中学校の基礎教育の授業数が圧倒的に少なく、算数に関する訓練があまりされていないようです。

金利などのリテラシー教育を

   英語ができない分には、海外との仕事では圧倒的に弱くなりますが、国内で生きて行く分には問題ありません。しかし、算数ができないというのは問題が多いです。おつりをちょろまかされたり、仕事でミスをしたりするだけでなく、金利とかもよくわからずローンでモノを買ってしまったりします。

   実際問題、カンボジアではスマホとかには、普通の料金に加えて、6か月払いなら月々いくら、12か月払いなら月々いくらといった、分割の値段がかかれています。そこには、金利○%などという文字はどこにもなく、そんなことは誰も気にせず、嬉々としてスマホを手にしていくわけです。

   で、月給100ドルなのに200ドルのスマホを買って、病気とかしたらどうするんだよ・・・と思うのですが、案の定「薬代がないから給料を前借りさせて下さい・・・ボス・・・」ということになるわけです。

   もうちょっと教育の底上げをして、この状況を打破した方が・・・とも思うのですが、日本でも金利でいくらとられるかも分からず35年ローンとか組んじゃう人とか、期待値とか全く考えないで宝くじとか買っちゃう人もいるので、算数に加えて、こういうリテラシー教育をしなきゃいけないなと思うわけです。


   そんな、カンボジアの現在の様子を、私と、カンボジアで人材会社をゼロから作った起業家で語ります(2015年5月2日、東京)。ご興味のあるかた、是非ご参加ください。詳しくはコチラから。(森山たつを)

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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