2016年3月に卒業予定の大学と大学院生に対する民間企業の有効求人倍率(就職希望者1人あたりの求人件数)は1.73倍で、前年から0.12ポイント改善する。リクルートホールディングスが2015年4月22日、こうした調査結果を発表した。景況感の改善から、企業は採用に積極的で、有効求人倍率は4年連続で改善する。
民間企業の求人総数は71万9000人で前年比5.4%(3万6800人)増と、2年連続で増えた。これに対して、学生の就職希望者数は41万6700人と前年並みとなった。
規模別の求人倍率は従業員300人未満の3.59倍に対して、5000人以上は0.70倍。ただし、中小企業で低下し、大企業では上昇した結果、倍率差は2.89ポイントと前年(3.97ポイント)より縮小している。
業種別の求人数は、海外の景気回復で増産体制をとる製造業が10.8%増、新規出店を続けている流通業が5.6%増。一方、建設業は3.8%減となった。東京五輪開催を控えた建設ラッシュで人手不足が指摘されるなか、建設会社は求人数を絞らざるを得ないのが実情とみられる。それでも建設業の求人倍率は6.18倍と高水準。
「売り手市場」とされるものの、求人倍率はリーマン・ショック(2008年9月)による景気低迷前(08、09年入社でそれぞれ2.14倍)に及ばない。