「社長」や「役員」を目指したい新人女性が、増えているようです。明治安田生命保険が、今(2015)年の新入社員に調査したところ、将来「社長・役員クラス」になりたいと答える女性新入社員は「15.2%」。前年より4ポイント近く上がり、調査開始以来、過去最多となりました(明治安田生命保険、「新入社員を対象としたアンケート調査」、2015年3月20日公表)。
一方、バリバリ仕事をしていた女性でも、結婚した途端に「仕事は、もういいかも」と、感じてしまう・・・そんな現実も、あるようです。
「働かないという選択肢が、あるんだ」
先日公開された記事、「『結婚したときに、なぜかモチベーションが下がって・・・』 IT女子たちが抱える、キャリアの悩みとホンネとは?」(ログミー、2015年2月20日)では、女性社員3人が、「結婚・出産と仕事の葛藤」を語る場面が印象的でした。記事が取り上げたイベントの司会を努めた佐々木裕子氏は、以前、筆者も取材をさせて頂いたことがあります。株式会社チェンジウェーブの代表として、企業の「変革」デザイナーとして活躍する、素晴らしい女性です。
イベントでは、リクルートホールディングスのグループ企業の女性社員3人が、佐々木氏とともに「仕事人生」を語っていました。興味深かったのは、リクルートマーケティングパートナーズの最勝寺綾氏が、「結婚した時に、主人の母親から、『仕事どうするの? つらいんだったらやめてもいいし、自由にしたら?』と言われ、仕事へのモチベーションが一時的に下がってしまった」という点です。彼女は「働き続けるのは当然」と考えていたのですが、お姑さんの一言で、「いい意味で、働くも、働かないのも、選択としてあるのだな」と、感じたといいます。彼女は、そこで改めて「自分が本当にやってみたい仕事」を真剣に考え、新たな部署でチャレンジを始めたとのこと。
他に登壇していた、リクルートテクノロジーズの坂本千映子氏も、「結婚した途端に、主人がメキシコ赴任となり、仕事と家庭と、どちらを優先するか悩んだ」「家族だったら一緒に住むべきなのかな、という価値観もあった」というようなことを、おっしゃっています。驚きました。お2人のように、キャリア志向が強い女性でも、結婚した際、「家庭優先」という選択肢が頭をよぎるのかと。
筆者が取材した、外資系会社勤務の30代の女性Iさんも、結婚した時、「もし子供ができたら、この生活では無理」と感じたそうです。両立への不安が、完璧主義なキャリア女子の意識を、「家庭」へといざなうのか・・・そう考えたのですが、その時、Iさんがふともらした一言の方が、むしろホンネかもしれないと思いました。