東洋ゴム偽装は働き方の考え次第?
【ニュースの無理やり20字まとめ】東洋ゴムが耐震性能を偽装で関係者が大迷惑
【解説】建築物の免震機構に用いられる耐震ゴムで不良品の出荷や性能データの偽装が発覚しました。
日本国内の自治体の庁舎・マンション・病院で使用されており、棟数は、当初判明しただけでも55に及びます。
この偽装事件、背景には納期に対する厳しいプレッシャーがあったとされています。
どんな仕事にも納期(締め切り)がありますし、それを守ることは社会人として求められます。
しかし、この納期について、2つの見方があります。
1つは、何があっても守るべき、という発想。もう1つは、顧客に求められるレベルに達していなければ納期が遅れても仕方ない、という発想です。
理想であるのは、納期を守り、かつ、顧客に求められるレベルに達していることです。
しかし、東洋ゴムの今回のケースはそうではありませんでした。
では、どうすべきだったでしょうか。
その先例が、ボーイングの787機開発です。全日本空輸がローンチカスタマー(大量に発注することで製造・開発を進める際の後ろ盾となる顧客)となったボーイング787は当初、2008年の北京オリンピックでのチャーター便就航を予定していました。
しかし、開発の遅れで結局、就航したのは2011年です。納期を守らないにもほどがありますが、もし、無理に開発を急ぎ、事故を起こしていたらどうだったでしょうか。ボーイング社も全日空もその信頼は地に落ちていたことでしょう。
納期を守るか、納期を守れなくても信頼を守るか。この辺はグループディスカッションのテーマにもなりそうですし、サラリーマンにとっても賛否両論分かれるテーマでしょう。
そう考えれば、このニュースは建築・土木業界だけの話ではなさそうです。
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