日本の就労意識「崩壊」の兆し 「もう辞めた新入社員」から考える

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たくさん雇って、歩留まりを考える

   また、賃金を払うとさっさとやめてしまう人がいるので、毎月全部払わず、一部は2か月後とか、そういう形にしないと、どんどん辞めていってしまうそうです。

   なぜ彼らがそんなにすぐやめてしまうのかは謎ですが、他にすぐ仕事にありつけるからなのかそれとも、一時的なカネがはいればあとはカネがなくなるまで仕事しないのか、たぶんその両方なのでしょう。

   そういうことなので、本来10人雇えばいいところを2割増くらいの人を雇う。毎日無断欠勤が平均2割位あるので、そうしないとダメなのだということです。

   さて、先ほどの1日や3日で辞める新人には、どうもこのような人材の雰囲気を感じます。企業がブラックだからというより、なにか基本的な就労意識のレベルが崩れているような気がしてなりません。

   先のフィリピンの場合は、欠勤率を下げるも方法も多少あるそうです。それは食事をおごったり仲良くして家族みたいに扱ったりするとのこと。ただ、それでも欠勤は起こるそうです。日本ではノミニケーション否定の方向にいってますから、この方法は使えなそうです。

   結局たくさん雇って、歩留まりを考えるという雇用法は、合理的なのかもしれません。1日でやめた、3日でやめた、というのは経営者にとっては織り込み済み。実は、うまくマネジメントできているのかもしれませんね。(大石哲之)

大石哲之(おおいし・てつゆき)
作家、コンサルタント。1975年東京生まれ、慶応大学卒業後、アクセンチュアを経てネットベンチャーの創業後、現職。株式会社ティンバーラインパートナーズ代表取締役、日本デジタルマネー協会理事、ほか複数の事業に関わる。作家として「コンサル一年目に学ぶこと」「ノマド化する時代」など、著書多数。ビジネス基礎分野のほか、グローバル化と個人の関係や、デジタルマネーと社会改革などの分野で論説を書いている。ベトナム在住。ブログ「大石哲之のノマド研究所」。ツイッター @tyk97
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