「履歴書は手書きか」論争に踊らされる就活生 答えはもう出ています

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理想論先行が陥る罠

   堀江さんや、IT業界関係者などは、手書きを推奨する企業が見ようとする、熱意などを否定されるかもしれません。

   もちろん、それはそれで一考に値する提言ですが、IT業界以外の多くの企業では、現実は手書き推奨です。

   問題は、この手書き廃止という理想論に同調してしまう就活生です。

   履歴書手書きに限らず、採用担当者に名刺をねだる、フィードバックを求める、など理想論を求めすぎる学生は、就活で失敗しやすい傾向にあります。

   採用担当者の方から名刺を渡す場合もあるし、求められれば渡す人もいますし、面接後に面接内容についてフィードバックする企業もあります。

   こうしたことがすべての企業で実施されれば、それはそれでいいことだ、とは私も思います。

   しかし、現実はそうではありません。

   PC作成推奨派からすれば、保守的で必然性がない、と見える手書きも、推奨する企業は必然性があるから実施しているわけです。

   この必然性を見ずに理想論が先行しても、受け入れられるわけがありません。まして、学生の側がいくら求めても、

「手書きが面倒で楽をしたいからだけでしょ?」

と言われるだけです。それでも理想論を振り回したところで、それは押し付けになるだけではないでしょうか。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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