「働く自由」と「働かなくていい自由」、幸せなのは・・・
バブル期には、『アッコちゃんの時代』の主人公だけでなく、若い女性の多くが、六本木のクラブで遊び放題、高級ワインを楽しみ、ヨーロッパ旅行でブランドバッグ買い放題だったという話は、よく耳にします。その全ての費用が、男性持ちだったとか。「本当にそんなことがあったのか」と思い、バブル世代の知人女性に聞いてみたところ、「確かに、あの頃は、男性との食事で『割り勘』なんて考えられなかった。帰りは、タクシー代を1~2万円貰うんだけど、そもそもタクシーが全然、捕まらなくて困ったのよね」と、言っていました。その女性は、大企業に入社したものの、「つまらない」と、2年で退職。現在は、主婦兼フラワーアレンジメントの先生として働いています。若くて綺麗な「私」が、何が楽しくて、おじさん社会の歯車にならなければいけないのか。そういう思いも、あったのでしょうか・・・。
『アッコちゃんの時代』を知らない私は、女性が働くのは当たり前だと思っていますし、仕事では、きちんと成果を出したいと思っています。そういう考え方を「不思議だなぁ」と思うほど、バブル期の女性たちは、幸福な時代を過ごしたのでしょうか。働かなくても男性が貢いでくれて、将来には何の不安もなかった時代と、働く自由はあるけれど、将来は何となく不安、このままでいいのかな、と悩む女性も多い、昨今。どちらが「幸せ」か、判断はできません。が、とにかく「『働く自由』があるだけでも、幸せなことかもしれない」とは思うのです。(北条かや)