「叱られる」耐性はないが、叱られないと不安 そんな若手社員にはどう接したらいいの?

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   新入社員を職場に迎え、今後どうやって彼・彼女らに接していこうか、頭を悩ましている上司や先輩社員もいるだろう。そんな人たちにとって、気になる調査結果も出ている。

   最近、上司に「叱られたい」部下が増えているというのだ。ある調査では、入社3年目までの若手社員のうち、実に8割が、「正当な理由があれば、上司・先輩に叱られたい」と回答した。一方で、上司や先輩に「叱られたことがある」若手社員は49.6%と、半数にすぎない。叱られたいけど、叱られない。このままでは成長できないのでは・・・そんな悩みを抱える若者も、多いようだ。

「厳しい上下関係」を経験していない

やった!叱られたぞ
やった!叱られたぞ

   「週刊ダイヤモンド」(2015年3月28日号)では、「叱れない上司 叱られたい部下」と題した特集を組んでいる。記事では、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーの原田曜平氏が、「叱られたい若者は年を追うごとに増えている」と指摘。昔であれば、子供たちは、先生や親、学校の先輩との間で、「上下関係」にもまれて成長していくのが当たり前だった。ところが、今の先生は、保護者の苦情を恐れて、子供を叱らない。学校の先輩とも、LINEやFacebookなどでつながる「SNSムラ社会」となっているため、厳しい上下関係は成り立ちにくいそうだ。そうして「叱られない」まま、社会人となった若者たちは、叱られることに耐性がない一方、「放っておかれるのも不安」なのだという。

   また、人事総合ソリューションを手がけるレジェンダ・コーポレーション(本社・東京都)の「入社3年目までの社会人」に対する調査(2012年12月公表)では、上司・先輩に叱られたことがある(「よくある」+「時々ある」)割合は49.6%と、ほぼ半数だった。性別では、男性が55.4%、女性が40.4%で、女性のほうが、より「叱られていない」。一方で、「正当な理由があれば、上司・先輩に叱られたい」若手の割合は、「とても思う(34.2%)」、「やや思う(44.3%)」と、合計で8割近くが「叱られたい」と考えている。

   ツイッターでは、「叱られたい」若手社員に、共感する声が目立った。「めっちゃ分かるなぁ。就職したての時とか、どこまでが許されるミスなのか、知りたくてわざと仕事の手を抜いて上司の反応見たりしたもん」という人もいれば、「昨日休んでから上司に大変気を遣われる。ええんやで。私の手落ちについては、業務時間外でもちゃんと叱って欲しいんやで」という人もいる。

「叱られたいんじゃない、『助言』が欲しいんだ!」

   一方、若手社員は「叱られたい」わけではない、との意見も多い。ツイッターでは、「『叱られたい』は正確な表現じゃないね。『助言欲しい』かなと。言う人間が尊敬できなきゃ、ストレスにしかならない」とか、「叱られたいじゃなくて指導されたいの間違いじゃないのか」と、冷静に指摘する声が目立った。

   若者たちは、「叱られたいっていうより、課題や問題点を客観的に伝えてもらわないと分からないんですって話では?」という人もいる。また、「叱ると怒るは違うと思う。声を荒げて怒鳴り散らせば、そりゃ新人はやめる。そうじゃなくて、どこが悪くて、何に対して怒っているのかを冷静に言われれば最近の世代だって素直なはず」と、分析する人もいた。一口に「叱られたい」といっても、若手社員たちの心中は、色々と複雑なのかもしれない。(KH)

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