「スペシャルな国」シンガポールはここが凄い リー・クアンユー氏追悼

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強固な意志とリーダーシップ

   それだけではなく、働くシンガポール人や外国人をサポートする家政婦などについては安い給料でも働ける単純労働者向けビザが発行されており、フィリピン人やインドネシア人の家政婦や建築作業員が働いています。このような人が増えすぎてしまうと困るため、単純労働者向けのビザでは、永住権の申請はできず、家族を呼ぶこともできず、家政婦は妊娠したら即退去というルールが決められており「期間限定の出稼ぎだけは認める」という政府の方針が明確になっています。

   これらのルールは、ある一面から見れば「大した金が稼げない外国人ホワイトカラーはお断り」とか「単純労働者は長く住み着かないでくれ」というメッセージなわけで、ある意味、非人道的。多くの人から反発を受けかねない内容であり、このルールを作るには強固な意志とリーダーシップが必要になります。

   このように、国の発展のために的確なルールを作り、そのルールがしっかり守られる仕組みを作ったことが、シンガポールがこれほどまでに発展し、東南アジアにおいて唯一無二の存在になったひとつの大きな理由です。

   あらゆる面において、意味不明なルールにまみれ、さらにそのルールが守られていない東南アジアで暮らしていると、このシンガポールの素晴らしさを強く強く感じます。

   そして、そんな国を作った、偉大なリーダー、リー・クアンユー氏に追悼の意を表します。(森山たつを)

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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