先日、ある知人に「出世する人の特徴」について聞いたところ、「仕事ができるヤツって、スポーツを本気で追求しているケースが多い気がする」という話になりました。これに対し、「スポーツを趣味で楽しんでる人は、あんまり出世しない」とのこと。今回は、そんな「スポーツと出世」について、男女差なども含めて考えてみます。
休日にマラソンなどに、精を出す
IT企業の役員など、若くて、いかにも仕事ができそうな人たちのFacebookを見ると、休日に、ボディビルやマラソンなどに、精を出す様子が目立ちます。しかも、けっこう頑張って記録に挑戦したり、大会に出たりしている。Yahoo!(本社・東京)のように、現社長の宮坂学氏が自転車好きだったことから、サイクリングのイベント「ツール・ド・東北」の開催につなげた事例もあります。
知人は言います。「前職の同僚が、今、出世して役員になってるんだけど、あいつはすごかったな。飲み会の後、みんなで『室内ボルダリング』(壁の突起物をつかんで、クライミングを楽しむスポーツ)をやったんだけど、そいつだけ、短時間でコツを掴んで上手にこなしたんだよ。仕事ができるヤツって、何に対しても要領の良さと執着心が強いのかもしれない」。一方で、「週末にスノボとかサイクリングなんかを、お気楽に楽しんでる人は、出世しないというか、仕事では愚痴ばっかり言ってるイメージ」とのこと。
考えてみれば、男性だけでなく女性も、仕事ができるタイプほど、ジムやヨガで体のメンテナンスを怠らないイメージがあります。ただ、女性は多くの場合、美容と健康のために運動をしており、スポーツを「求道」している感じでは、ありません。男性の方が、よりスポーツに『執着』している気がします。忙しいのに、そこまで頑張らなくても・・・という人も、たまに見かけます。
「僕が出世しない理由は正にそこです」
出世するタイプはスポーツを本気で追求するが、そうでないタイプは、単なる趣味・レジャーとして楽しむ・・・こうした内容をツイートしたところ、色々と反応を頂きました。ある人は、「一理ありますね。僕が出世しない理由は正にそこです。ゆるーい趣味の方が仕事より数倍楽しい」というご意見。仕事より没頭できる対象があるからこそ、仕事はほどほどに・・・というタイプかもしれません。それはそれで「アリ」ですよね。
一方、興味深かったのは、「大人になってから競技スポーツや異性やビジネスなどに過剰に夢中になる人のベースのエネルギーはコンプレックスだと思いますよ」というご意見です。学生時代に、なんらかのコンプレックスがあったからこそ、大人になって、それを克服するために、仕事にもスポーツにも全力投球せずにはいられない。そんな人も、男性を中心に、結構いるのかもしれません。「学生時代に死ぬ程、(スポーツを)練習した人ははまりません。いや、むしろ後悔のある人ほど追い込んで、それを糧にビジネスに走ります」という方もいました。
知人に、こうしたツイート反応があったと言ってみたところ、「分かる! 自分も学生時代、体育会に入ったけど、上下関係があまりに厳しいからやる気がなくなっちゃったんだよね。その後悔を引きずって社会人になったから、仕事では上を目指したいのかもしれない」と、共感していました。青春時代のコンプレックスが、将来、「仕事」と「スポーツ」に精を出す糧になっている。男性で、こうした傾向がより強いというのは、面白いですね。ちなみに私は、学生時代、コンプレックスだらけでしたが、それを今どうやって解消しているのかというと・・・やっぱり「仕事」かもしれません。(北条かや)