「年収1億円以上」の役員報酬を得ている上場企業役員は443人で、1位のキョウデン前会長は、なんと「12.9億円」。こんなランキングが、東洋経済オンラインによって公表され、話題を集めている。「仕事の割にもらいすぎだろ」「でも、経営者なら、もっともらうべきかも・・・」など、ビジネスパーソンらの胸中は、複雑だ。
トップは12.9億円
ランキングは、東洋経済が刊行する『役員四季報』のデータから、年1億円以上の役員報酬を得ている上場企業役員443人を、金額の多い順に並べたもの(2015年3月18日公表)。集計対象は、2013年5月~2014年4月に本決算を迎え、1億円を超える役員報酬を得た役員を、有価証券報告書で開示した上場企業だ。
トップのキョウデン前会長、橋本浩氏は、「12億9200万円」。2位は、カシオ計算機代表取締役の樫尾和雄氏で、「12億3300万円」。3位はキヤノン会長兼社長の、御手洗冨士夫氏で、「11億500万円」となっている。4位以下は、カシオ前副社長の樫尾幸雄氏(10億8300万円)、武田薬品工業前取締役のF・モリッヒ氏(10億1600万円)、日産自動車の会長兼社長、C・ゴーン氏(9億9500万円)などと続く。
報酬の総額には、一時的な「退職慰労金」などの額が反映されている。これらを除いた「報酬ベース総額」のランキングでは、1位が日産自動車のカルロス・ゴーンCEO(9億9500万円)、2位がユーシンの田邊耕二会長兼社長(8億3400万円)、3位はユニバーサルエンターテインメントの岡田和生会長(8億1000万円)と、顔ぶれが変わる。上位のほとんどは、創業者系または海外からの招聘役員で、伝統的な企業が目立つ。
「スポーツ選手や芸能人と比べ、低いと思いますよ」
その金額の大きさに、ツイッターでは、「頭がクラクラするわ」、「あまりに現実的でない金額なので、羨ましいとも思えず(^^;)」などの反応が目立つ。一方で、「仕事の割にもらいすぎだよ誰かさん・・・」と、反発する人も。
日本企業の経営陣の報酬は、欧米と比べて、それほど多くないという意見もある。東洋経済オンラインが、昨(2014)年12月5日に公開した記事、「ケタ違い! これが米国CEO報酬トップ300だ 首位は年間56億円も! アップルはいくら?」によると、ランキング1位の航空部品メーカー、トランスダイム・グループの会長兼CEOのニコラス・ハウリー氏は、56億397万円。目が飛び出るほどの高額だ。時価総額世界首位のアップルCEO、ティム・クック氏でさえ、151位である(報酬は4億9306万円)。
ツイッターでは、日本の役員報酬について、「毎度思うけど企業規模の割に安すぎるし、(1億円以上が443人しかいないというのは)人数が少なすぎる。もっと出さないと、そりゃリスク取ろうとか、革新しようって経営者が出てこないのは当たり前」と、主張する人もいた。「スポーツ選手や芸能人と比べ、低いと思いますよ」という意見も。また、役員報酬が10億円以上と高額とはいえ、「その分、一般人との収入比較の倍数以上の倍数で、税金納めてるけどね」という意見もある。(KH)