オフィス発のトレンドを生み出す可能性
もう1社、ユニークな存在なのがハチモ(東京都港区)だ。働く女性をサポートするオフィス設置型の無人販売店舗サービス「オフィス・コスメ」を2013年12月から展開し、東証1部上場企業を中心に都内70企業に導入している。今夏の400台設置を目標としている。化粧品や美容雑貨、ストッキングなどを専用ボックスに入れてオフィスに届ける。設置・導入は無料。商品の購入は付属の料金箱に代金を入れてもらい、スタッフが月1回、代金の回収と商品の補充を行う。多くのオフィスで見かける「オフィス・グリコ」の女性向け版で、ストッキングの破れ、急な生理、靴ずれなどの際に重宝されているという。
このサービスは、女性向け商品を扱うメーカーがマーケティングに活用できるほか、オフィス発のトレンドを生み出す可能性を秘めている。すでにドイツの老舗オーガニックコスメブランドである「lavera(ラヴェーラ)」のリップクリーム、ハンドクリームが2015年2月から販売されている。同社の豊田直子代表取締役はオリックス、楽天を経て独立した。オフィスで働く女性がリーダー役となって「オフィス・コスメ」を活用できるようにするため、アンバサダーの仕組みを導入する計画を立てている。女性の社会的活用が叫ばれる中で、事業には追い風が吹いており、大手メディア掲載も近そうだ。(管野吉信)