彼の「心の隙間」を埋め、いつの間にか特別な存在に・・・
K美は言います。「彼女が提供できないことを私が提供すれば、彼の『心の隙間』を埋められる。どんなに美人で仕事ができる彼女にも、必ず不満はあるはず。それを全部共有するうち、気づいたら、彼女ができないことを私が提供できるようになっているんです。半年くらいかかりますけどね」。お、おそろしい子・・・!
ある日、K美はTさんに「今度、◯◯の試合を見てみたいんです」と、メールしてみました。Tさんは、少し迷ったものの、「本命彼女はフットサルに興味がないし・・・K美は試合に行ったことがないなんて、可哀想だな。一度連れて行ってあげよう」と、チケットを2枚購入します。「男性は、女性が喜ぶ姿を見るのが好きなんですよ」と、K美。「わぁー嬉しい!」と、素直に喜びました。Tさんは当然、気を良くします。
当日、2人で試合を観戦した後、Tさんは、本命彼女の自宅に立ち寄りました。借りていた資料を返すためです。助手席には、浮気相手のK美。「俺、もう帰るわ」と言うTさんに、本命彼女は、何かを察知したのか、「お茶でもしていけば?」と言ったそうです。慌てたTさんは、「いや、ちょっとまだ仕事が・・・」と、逃げるように本命彼女の自宅を去りました。その時点で、Tさんは「K美との時間」を選んだことになります。「勝った!」と、確信できた瞬間でした。相手をリサーチし、趣味の共有という「潜在的な欲求」を掘り起こす。本命彼女が提供できないものを提供する。『成功のコツは、相手のニーズを満たすこと』という、K美の戦略は、なんだか、ビジネスにも活かせそう・・・な気がするのは私だけでしょうか。(北条かや)