採用担当者は就職活動の服装をきちんと守るかどうかで、社会人としてのマナー、ルールを遵守できるかどうかを見ているそうだが、その服装というのが「黒スーツ」だそうだ。
就活に黒のスーツ以外の色は敬遠されるらしい。紳士服店も、リクルートスーツに黒を推奨している。
黒スーツというのは、本来は、夜の恰好だ。
夜のパーティーに着ていく色だし、慶事の時のものだ。格式のある夜の慶事には、ブラックタイというドレスコードがあるが、これはタキシードに、黒い蝶ネクタイというもので、要するに、黒というのは「夜の恰好だ」
黒服といいって、連想するのも夜だろう。
紺色か、チャコールグレー
黒というのは、夜の場面ではふさわしいが、ビジネスにはふさわしくない。
要するによそ行きの慶事用の衣装なので、ビジネスのプロトコルには合致しない。
昼にビジネスで着用して、「礼儀正しい」と認識される「伝統的なスーツ」は、紺色か、チャコールグレーである。
これは、英国の首相や王族の画像をgoogleで検索すれば一目瞭然だ。英国のキャメロン首相は常に、紺色か、チャコールグレーのスーツを着用する。私がみるところ、例外はないと思う。なぜなら、それ以外の色は、公式の場にはふさわしくないと思われているからだ。
同様に、アメリカ大統領の画像もgoogleで検索してみてほしい。オバマ大統領はチャコールグレーを好んでいる。
これは、容易にはかわらない伝統であって、日本人がなんと言おうと、そう決まっているのだ。
さて、就職活動生は哀れにも、それを知らずに黒のスーツを着る。それが正式だと吹きこまれている。私が就職活動をした、17年ほど前は紺のスーツが常識だったが、いつのまにか、ファッションで黒のスーツがはやったことにより、紳士服店がリクルートスーツに黒を推したようだ。それがそのまま定着した。まるで、お菓子会社が生みだした、日本にしか存在しないホワイトデーみたいなものだ。
さらに哀れなのは、それに気づかない人事担当者だ。リクルートスーツは黒が正式なものだと思っている人が多いようだ。