最近よく、労働基準法や労働者派遣法の改正案が今国会に提出予定、などと報じられ、話題にのぼることが多くなっています。私の印象では、おそらく今年は、労働者にとって大きな転機の年になるのではないでしょうか?
今回は、こうした流れも踏まえ、派遣社員が起こしたミスで会社に不利益が出てしまったエピソードをもとに、「派遣の損害賠償責任」について考えていきます。(実際の事例を一部変更しています)
営業部に電話を繋げず、契約に影響
弊社にはコールセンターがあり、すべて派遣社員で対応しています。
お客様からのクレームを対応している部署で、みんなとても良く働いてくれているのですが、あるとき電話対応で大きなミスがありました。
ある取引先の会社が間違えて、コールセンターへ電話をしてしまったようで、さらに対応したスタッフが不慣れだったこともあり、営業部に繋げずに終わらせてしまいました。
お客様のクレームを対応している部署ですので、直接社内の部署に繋ぐことは稀なのですが、その様な事が起こっても問題ないように、繋ぎ方は研修で教えています。
ただ、実際にかかってきた時に焦ってしまい、対応できなかったみたいです。
その後、「折り返しを頼んだのに連絡が来ない!」と、取引先が怒っていると営業部から連絡が来ました。「もう契約はなしだ!」とも言っているとのことでした。
派遣社員に確認したところ、その後すぐに別の電話が鳴った為、対応を忘れていたそうです。
もし、この取引先との契約が本当に無くなってしまった場合、正社員であれば会社の責任となりますが、今回は派遣社員なので、その損害賠償を派遣会社に請求することはできるのでしょうか?