選考書類が日本一「長い」企業と「短い」企業 それぞれの「なるほど」な理由

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削りに削れば、メールアドレスだけで十分?

   なぜ、ここまで短いエントリーシートを考えたのか、三幸製菓の杉浦二郎・人事課長にお伺いしました。

「一言でまとめると、ESで必要なものだけを残したら連絡先だけだった、ということです」

   多くの企業が採用しているエントリーシートでは、志望動機、自己PR、学生時代に頑張ったことなどを書かせます。

「基礎学力などはWEBテストを課せば十分です。誰でも書ける志望動機や自己PRをどう書くかで悩み時間を使い、読む方も時間とお金をかける。お互いにバカバカしいだけです。既存のエントリーシートから内容を削っていけば、志望動機や自己PRだけでなく、名前や大学名などの基本情報すら不要です。必要なのは、メールアドレスだけ。あとは、やり取りしていく中で名前・大学名など基本情報は知らせてくれればいいのです」

   なるほど、強烈ですが、中身は正鵠を射ています。

「実はライフネット生命保険さんの『重い課題』もよく知っていますし、採用担当者とも話をしています。課題そのものがアセスメント対象として成立しています。非常に考え抜かれた、素晴らしい取り組みだと思います。」(杉浦さん)

   方向性が違うにしても、それぞれ、長さ・短さで日本一になるとは、これも、ご縁。なんでしょうかねえ。

   両社とも2016年卒の採用は現在、受付中だそうです。(石渡嶺司)

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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