「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という冗談もあるが、ある自動車メーカーが開発したこの「信号機」なら、どんな横断歩道でも誰もが思わず足を止めてしまう――かもしれない。
メルセデス・ベンツの性能を兼ね備えた超小型自動車「Smart」が、ポルトガルの首都 リスボンのとある交差点に期間限定で設置した信号機。これは、赤信号のときに点灯するあの「人型」のサインが、突然軽快に踊りだすのが特徴。
シルエットをカメラが認識
この取り組みを紹介する動画は、2015年2月24日時点でYouTubeで998万再生を突破し、まもなく1000万の大台に載ろうとしている。
その仕掛けは、信号機の近くに設置された黒いかべに覆われた巨大なブースにある。通行人がブースを訪れ、その中で踊ると、踊っているひとのシルエットをカメラが認識し、その動きが信号機の「(赤信号)人型サイン」に反映して表示される。
ただ単に人型のサインをデザインし直したのではなく、実際の人の動きと連動しているところが興味深い。また、信号無視という後味のわるい違反行為を、皆でライトに楽しみながら解決するアプローチは気持ちがいいものだ。
この実験的な取り組みにより、通常よりも81%もの多くのひとが、信号が青になるのをきちんと待ったという。動画を見るかぎり、信号が変わるのを待っているひとびとの表情は楽しそうだ。
日常の「交通」をスマートな方法でより安全にすることで、「Smart」のブランドイメージと安全性を訴求するねらいがありそうだ。(岡徳之)