女性の涙は「武器」ではなくて、「汗」である

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泣いて、気分を切り替える

   K子の涙は、男性に優しくしてもらうための「武器」ではない。では、なぜ、そんなに頻繁に泣くのか・・・と、考えていたところ、ある企業の女性部長が言っていたことを思い出しました。

「女子ってとにかく、よく泣くんです。私も沢山、泣いてきましたよ。その涙を怖がって遠慮する男性上司もいるけど、女子にとっての涙って、『汗』みたいなもの。自然に流れてきて、ハンカチで拭いたらまた、元通り。『さ、また頑張ろう!』みたいな(笑)」

   そうなのです。彼女たちにとっての涙は「武器」ではなく、「汗」なのです。大量に汗をかくと、悔しい思いが排出されて、気分の切り替えになる作用も期待できます。汗をかいている(=涙を流している)姿を見られるのは、恥ずかしいから、人前で泣かずにトイレにこもる。涙を拭いて、化粧を直したら、気分はスッキリ。平気な顔で、席に戻る。そんな女子社員は、結構多いのです。

   もちろん、泣いてばかりいると、仕事になりませんから、「汗をかかなくていい職場」への転職を考えたり、手を抜くことを覚えたりする女子もいるでしょう。とにかく、働く女子の多くが流す「涙」は、上司に対する「武器」=「媚び」ではない、ということは確かなようです。たびたび叱られ、泣いていたK子は、3年目を迎えた年に見事、営業トップとなり、鮮やかに転職していきました。(北条かや)

北条かや(ほうじょう・かや)

1986年、金沢生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。著書に『本当は結婚したくないのだ症候群』『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』。ウェブ媒体等にコラム、ニュース記事を多数、執筆。TOKYO MX「モーニングCROSS」、NHK「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」(2015年1月放送)などへ出演。
【Twitter】@kaya_hojo
【ブログ】コスプレで女やってますけど
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