「ブラック企業」という言葉の浸透とともに、違法な長時間労働や残業代不払いに対する視線が厳しくなってきた。とはいえ、「職場では『サービス残業』は当たり前」といった会社は、まだまだ少なくないようだ。
そんな「サービス残業」という言葉に対し、「まるで、社員が進んでサービスをしているかのような言い方だ」などと反発し、もっと実態を示す新しい言葉を考えよう、という動きがネットで広がり始めた。
実態が「歪曲」されている
ツイッターでは、今(2015)年2月下旬頃から、「#サービス残業の名称を変えよう」というハッシュタグが盛り上がっている。このハッシュタグを付けて、サービス残業ではなく「ただ働き」、「無賃タイム」、「脱法労働」など、様々な「言い換え表現」をつぶやく人が続出。さながら、ブラックユーモアあふれる『大喜利』といった感も。
特定の話題にまつわるツイートを編集し、まとめサイトのように閲覧できるサービス、「Togetter」では、こうした、ウィットのきいたツイートをまとめたページもできた。タイトルはズバリ、「『サービス残業』って言葉を耳を覆いたくなる言葉に変えるべき #サービス残業の名称を変えよう」(作成者アカウントは「@otanoshimi_ex」)。
冒頭では、「サービス残業」という名前自体が、「合法ドラッグ」や「イスラム国」と同じように、「名前によって言葉のイメージが歪曲して取られている」とし、「毒々しい、耳を覆いたくなるような」表現に変えるべきだ、という内容のツイートがある。
この意見に賛同した人たちからは、サービス残業ではなく、「同調圧力による無報酬奴隷労働」、「社畜専用奉仕活動」といった言い換え表現のほか、「従業員軟禁」という、かなり「毒々しい」案も登場した。「サービス残業」という表現に違和感をもつ人は、かなり多いようだ。