万一「ジョブホッパー」でもOKなワケ
転職回数が多い人と少ない人、どちらが「有利」なのか。冒頭に引用した、安達裕哉氏のブログには、「転職回数の多い人を積極的に採る」という経営者から、次のような意見が寄せられた(「『転職回数の多い人を採用するようにしています』という経営者が語った、その理由。」2015年2月17日)。「転職回数が多い人は歓迎されない」という日本の風土を理解した上で、それでも転職を繰り返す人は、自らの「市場価値」を強く意識している。キャリアの一貫性や、スキルに自信がある人も多い。が、転職回数を理由に、他社が採らないため、そういう人は「お買い得」だという。逆に、「同じ会社で20年頑張ってきたが、リストラされてしまった」という人の方が「微妙」だ。以前の会社の慣習に凝り固まっている上、スキルも陳腐化している。「人脈もないし、どうしようもないです」と、その経営者は語る。
「転職回数が多い人、大歓迎」という経営者に言わせれば、同じ会社にしがみついていた人より、転職という「チャレンジ」を繰り返して失敗してきた人の方が、価値が高い。万が一、不平不満から職を転々とする「ジョブホッパー」を採用してしまっても、「会社に不満ならやめてくれるのですから、こちらとしても大助かり」という。いわば逆張りの発想だ。
ネットでは、同記事に対し、2015年2月23日時点で、1200以上のツイートが寄せられている。「素晴らしい。転職回数6回のわたしは全力で支持する」とか、「10年同じ会社にいて、初めての転職の人より、渡り鳥みたいな人の方が使えるというのは確かにそうだろうな」と、賛同する意見が、やや多いようだ。
一方、「うちもかなりそういう視点で見てるけど、1年以下で職場を転々とする人はさすがにNGだな。教育コストが回収できない」とか、「同意なんだけど、やはり世間はそうは見ないよね」という人もいる。結局は、「回数云々より、活躍実績次第だと思うけどなぁ」ということだろうか。(KH)