新聞記者女子に話を聞いた 「燃え尽き症候群」や「いつか見返してやる!」派

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   仕事柄、取材先で「新聞記者」の女子と出会う機会があります。彼女たちの多くに共通しているのは、とにかく「タフ」で、女子力と行動力を兼ね備えた「ちゃきちゃき」タイプであること。同じ年代ながら、「本当に優秀だなぁ」と、感服することもしばしばです。今回は、そんな「新聞記者女子」たちに聞いた、働き方の実態をレポートします。

新卒記者の3~4割を女性が占める新聞社も

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   「体力と根性には自信がある。面接でも、全然、緊張しませんでしたね」と語るのは、大手新聞社に入社が決まっている、T美さん(23)。ぱっちりした目が印象的な顔立ちです。小さい頃から、リーダーシップを取るのが好きだったという彼女。見るからに行動的で、愛想もよく、「ちゃきちゃきしている」印象です。テキパキと仕事をこなし、働きぶりがよさそう。彼女を採用したくなるのも、分かります。

   かつて、新聞記者といえば「男の仕事」というイメージでした。ところが、1986年に施行された「男女雇用機会均等」をきっかけに流れが変わり、今や、大手新聞社の新卒採用の「記者」のうち、女性が3~4割を占めるケースもあるようです。採用担当者からは、「最近の女子学生は優秀なので、男子には下駄を履かせて採用している」なんて声も聞かれます。

   もっとも、3~4割といっても近年の傾向で、全体では、記者に占める女性比率は、日本新聞協会のデータによると、2014年の時点で16.3%。2001年の10.6%からは増えているものの、まだまだ2割にも届いていません(「新聞・通信社従業員数と記者数の推移」)。入社してから、出産などのライフイベントとの両立に悩み、辞めてしまう女性もいるのでしょう。

女性記者の比率が3割を超える日

   大手新聞社で働き、30歳で寿退社したYさんは言います。「結婚してから、同業の夫が転勤することになりました。ちょうどその頃、働き過ぎて、体を壊してしまって。こんな言い方をするのはどうかと思うのですが、もう、働きたくなくなってしまったんです。燃え尽きた感じです。今はとりあえず、子育てしつつ、たまに夫の『つて』で、仕事をしています」

   そう言いながら、ちょっとニヒルな笑みを浮かべていたYさん。きっと、入社後はバリバリ働いていたことでしょう。Yさんのような女性が、20代で仕事を辞めていくのは、企業としても『損失』かもしれません。

   一方、記者職に「やりがい」を感じ、働き続けようと頑張る女性もいます。ある地方新聞社で働くCさん(24)は、「とにかく大変。休日も、災害や事件があれば、早朝から呼び出しが当たり前です。それは入社前から分かっていたから良いんです」と言います。おしゃれなCさんもまた、女子力と行動力を兼ね備えた「ちゃきちゃき」タイプ。デスクから怒鳴られても、「いつか見返してやる!」と、ぐっとこらえて我慢しているそうです。「だって、今、辞めたら、悔しいじゃないですか」。仕事のストレスは、買い物で発散しつつ、「記者という仕事は、自分に合っていると思うし、プライドもある。結婚しても続けますよ」と、言っていました。

   よく、「女性社員の比率が3割を超えると、会社の風土が変わる」と言われます。新聞記者全体に占める女性の割合が、現在(16.3%)の2倍になれば、彼女たちの「働き方」にも、変化が訪れるかもしれません。女子力と行動力を併せもつ、女性記者たちのポテンシャルを活かさない手はない、と思うのですが、いかがでしょうか。(北条かや)

北条かや(ほうじょう・かや)

1986年、金沢生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。著書に『本当は結婚したくないのだ症候群』『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』。ウェブ媒体等にコラム、ニュース記事を多数、執筆。TOKYO MX「モーニングCROSS」、NHK「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」(2015年1月放送)などへ出演。
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