女性記者の比率が3割を超える日
大手新聞社で働き、30歳で寿退社したYさんは言います。「結婚してから、同業の夫が転勤することになりました。ちょうどその頃、働き過ぎて、体を壊してしまって。こんな言い方をするのはどうかと思うのですが、もう、働きたくなくなってしまったんです。燃え尽きた感じです。今はとりあえず、子育てしつつ、たまに夫の『つて』で、仕事をしています」
そう言いながら、ちょっとニヒルな笑みを浮かべていたYさん。きっと、入社後はバリバリ働いていたことでしょう。Yさんのような女性が、20代で仕事を辞めていくのは、企業としても『損失』かもしれません。
一方、記者職に「やりがい」を感じ、働き続けようと頑張る女性もいます。ある地方新聞社で働くCさん(24)は、「とにかく大変。休日も、災害や事件があれば、早朝から呼び出しが当たり前です。それは入社前から分かっていたから良いんです」と言います。おしゃれなCさんもまた、女子力と行動力を兼ね備えた「ちゃきちゃき」タイプ。デスクから怒鳴られても、「いつか見返してやる!」と、ぐっとこらえて我慢しているそうです。「だって、今、辞めたら、悔しいじゃないですか」。仕事のストレスは、買い物で発散しつつ、「記者という仕事は、自分に合っていると思うし、プライドもある。結婚しても続けますよ」と、言っていました。
よく、「女性社員の比率が3割を超えると、会社の風土が変わる」と言われます。新聞記者全体に占める女性の割合が、現在(16.3%)の2倍になれば、彼女たちの「働き方」にも、変化が訪れるかもしれません。女子力と行動力を併せもつ、女性記者たちのポテンシャルを活かさない手はない、と思うのですが、いかがでしょうか。(北条かや)