早いもので2015年も、もう2月に入りました。今年(2015年)から、大学3年生に対する「就活(就職活動)解禁」日が、従来の12月から3月1日に繰り下がったため、まもなくの本格スタートとなりますね。そわそわしている学生さんも多いかもしれません。
今回は、厳しい競争を乗り越えて入社したのはいいものの、「同期の冗談発言」がきっかけでクビ寸前まで追い込まれてしまった新卒者のエピソードをもとに、「名誉棄損」について考えていきます。(実際の事例を一部変更しています)
「上司に気に入られようと、(私が)毎週、一緒に飲みに行っている」
私は昨年、ある企業に新卒で入社しました。
同期入社の人数は約30人と多すぎない規模もあってか、互いにとても仲良くしていました。 しかしある日から、
「上司に気に入られようと、(私が)毎週、一緒に飲みに行っている」
という根も葉もない噂が同期の間で広まり、同期のみんなから白い眼で見られるようになってしまいました。
私は、上司を含め同じ部署の先輩方と、数人で一緒に飲みに行ったことはありますが、歓迎会など数えるほどで、「毎週」なんてとんでもありません。それに、「上司と2人きりの飲み会」にも行ったことはありません。
仕事で頑張って上司に認めてもらいたい、という気持ちはありますが、仕事以外のことで「上司に気に入られよう」と活動する気はありません。一部の同期には直接、噂を否定したのですが信じてもらえませんでした。
同期の冷たい視線や態度に耐えられず、次第に会社にいることが苦痛に感じはじめ、仕事が手につかなくなり、さらには会社を時折休んでしまうようになりました。
こういう状態が続いたため、上司らからは、遠回しながら「会社を辞めてほしい」というニュアンスを感じるようになり、今度は「(私が)クビ寸前だ」という噂も流れ始めました。
そんな中、「最初の噂を流したのは同期男性のA」という情報が入ってきました。
勇気を出してAに聞いてみると、
「飲みの席で冗談半分に言ったら、どんどん広まってしまった。別に広めるつもりはなかった」
という答えが返ってきました。
Aは、「悪気があって言ったわけではない」ということを強調してくるのですが、納得がいきません。「名誉棄損」で訴えることはできるでしょうか?ことの発端はAであることは本人も認めているし、間違いありません。複数の同期もそう証言しています。