「正直・誠実」は「ちょっと誇れる自分」
では、「正直・誠実」とはどういうことでしょうか。それは自分にも向けられるものです。もっと言えば、ちょっと格好いいかどうか、あるいは自分で自分を誇れるかどうか。
たとえば、私の場合、この連載にしろ、他のコラムや本にしろ、いつも、「正直・誠実」であろうとしています。が、「バカ正直」には書いていません。
「バカ正直」であれば、温泉でビールとか、どす黒い欲望が延々と書いてあるだけ。
でも、それって他人に誇れます?
「今度さあ、就活コラム書いたけど、その中では自分に正直に『温泉でビール飲んで楽したい』という話、書いてあるから読んでね」
と、勧められます?
この連載や私の就活関連本を読む学生・社会人の方は、就活の情報を引き出そう、として読んでくれるはずです。
そこに、温泉でビールがどうした云々なんて内容は、まあ、あり得ないですよね?まして、それを誇らしげに言うなんて、もっとあり得ません。
では「正直・誠実」とは、どういうことか。私の場合だと、
「就活のことを丁寧に調べて、それを分かりやすく伝えたい」
というものです。
いつもこれを意識しています。
読者は貴重なお金と時間(ネット連載なら時間のみ)という代償を払って読んでくれるのだから、読者のためにも「正直・誠実」でありたい、心からそう思います。
その思いで原稿を書いていますし、だからこそ、自信をもって他人に勧められるわけです(売れているかどうかはともかく)。
これは学生も同じです。学生生活に誇れることがない、と思い込んでいても、それはそれです。
社会人になって、「こういう仕事をしている」と誇れる自分をちょっと想像してみてください。どんな社会人になりたいのか、「バカ正直」の部分を抑えていけば、色々と見えてくるはず。
そして、性格検査などでは、ある程度背伸びして、かつ、なれそうな自分を想定してみながら回答してみてください。
たとえば、暗い性格と自覚していても、ちょっと頑張ればどんな仕事ができそうか。
もちろん、企業や働き方への知識や見聞などがなければ机上の空論ですよ。だからこそ、セミナーなどの参加を勧めているわけで。
そのうえで、背伸びしたらどんな仕事ができそうか考えながら回答してみてください。それが「バカ正直でなく正直」ということです。