「商談前にシナリオづくり」派VS「アドリブで十分」派 よい結果を出すのは・・・

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   商談を自分の想定したスケジュールで決める=契約に到れる人は訪問前の「シナリオづくり」の大切さがわかっています。シナリオとは

『商談の目的に合わせて必要な営業トークを準備すること』

です。

お客様のことを知るための「質問事項」を用意しておく

さあ、商談の幕が上がる
さあ、商談の幕が上がる

   例えば、初対面であればお互いが打ち解けるために「自己紹介」とか、お客様のことを知るための「質問事項」を用意しておくことがシナリオ。あるいは

◆提案する内容で同意をいただくため
→お客様から質問されそうなことに対する回答を用意すること。
◆結論を本日中にいただくため
→先送りをさせないために、結論を急ぐべき理由を用意すること

   商談場面で想定されるお客様からの反応に対して堂々と対処するための準備、と考えてください。この準備がなくても、アドリブで大丈夫と言い切れるならシナリオを用意する必要はありませんが、

「いろいろ考えてみた結果として、時期尚早かなと思ってきたのだよね」

   とお客様からネガティブな回答があったり、予想外の反応が返ってきたときに「・・・」と固まってしまったり、「残念ですが、この商談はナシですね」とただ諦めるだけになったりして後悔することになりませんか?やはり、シナリオは準備しておきましょう。不思議な話ですが、優秀な営業ほどシナリオを大事にします。

「訪問前にお客様に聞かれそうなことはすべて調べて対応できるようにしておかないと、不安で仕方ない」

   と語ってくれたのは大手広告代理店で活躍する営業職の清水さん(仮名)。一方で、同じ職場でごく普通の(営業成績は中の下くらい)営業である前場さん(仮名)は

「お客様からの質問なんて、長く営業をやっていれば何とかなるもの。シナリオなんて考える時間がもったいない」

と言い切ります。

無理のない形で、考える習慣の定着を

   確かに前場さんだって売れない営業ではありませんから、日々の活動でそれなりの努力をしているのは間違いないはず。ただ、優秀と呼ばれるレベルとの差があるのも事実。この差が生じる要因の1つが「シナリオの用意をするか否か?」であることは、覚えておいてください。前場さんの上司に会ったときに

「あいつ(前場さん)はお客様に対する対応が雑。お客様の質問には的確に答えないまま商談をすすめることがある。なので、相手からの信頼がイマイチで競合に負けることが多い」

と話してくれたことからもシナリオを用意する重要性がわかると思います。ところが、このわずかな時間で考える営業を実践するのは意外と大変で、つい「疲れたから休みたい」と楽な時間の使い方に流されてしまうもの。それを避けるために、疲れていても「考える時間に費やす」ことを徹底できる仕組みをつくりましょう。例えば、

◆仕事の準備は疲れた夜より朝の活用
◆約束の15分前に到着してシナリオ確認

と無理のない形で考える習慣を定着させましょう。こうして、考える習慣が当たり前になり、お客様に対してオーダーメイドな提案が出来るようになると「ピッタリの提案をありがとう」、「君に頼んでよかった」と感謝の言葉をいただく機会が増えて、考える営業の価値を痛感することになるはずです。すると、そのまま、シナリオづくりを続けられるプラスのスパイラル(循環)に入れるはずです。(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
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