先日、カンボジア・プノンペンでHUGS社主催、絆セミナーに登壇させていただきました。同社は、日本企業の進出を後押しすることで、カンボジアに新たなビジネスを生み出そうと、活動しています。このイベントには、カンボジア最高学府の王立プノンペン大学をはじめとする大学生が集まり、彼ら数十人に講義をさせていただきました。
とはいえ、私から彼らに伝えられることは限られています。そこで、彼らと対話形式のディスカッションを行うことにしました。
国をしょって立つ気概がある
「日本の大学生とカンボジアの大学生」というタイトルで、
1:私が日本の大学生にとったアンケート結果とその背景を解説
2:同じ質問をカンボジアの大学生にアンケート
という流れです。
様々な質問をしたのですが、このコラムで発表すべきなのはやはり「あなたは卒業後、海外で働きたいですか?」でしょう。
日本の大学生は「はい-17%、自分が希望する国なら-32%、いいえ-51%」と、過半数が海外で働きたくないという結果でした。
カンボジアの大学生はどうでしょう?
「はい-27%、いいえ-73%」
意外と、海外で働きたくないという人が多かったです。
そして海外で働きたいという人に話を聞いてみると
・海外で経験を積みたい。日本の様な先進国で経済を知りたい
・海外で経験を積んで、それを持ち帰り、自分たちの国を発展させたい
・いろんな仕事が有り、給料も高い。そのお金で家族をサポートできる
と、自分、国、家族のためと色々な意見がありました。
カンボジアでは大学進学率は2%。さらにその中のトップ校であるエリートは、やはり自分の国をしょって立つ気概がありました。
そして、海外に永住したいっていう人はひとりもいませんでした。みんな、カンボジアLOVE。海外で稼いで、自国・家族に還元したいという人ばかりです。
「この国には何もない。だから自分が創るのだ」
ちなみに、どんな仕事に就きたいですか?という質問に対しては、
会社 38%、公務員 27%、起業 35%
日本ではたったの1%である「起業」という選択肢がこちらでは3割を超えています。
なぜですか?と聞いてみたところ「この国には何もない。だから自分が創るのだ」という力強い意見がでてきました。
30年以上前の大虐殺で、国としての機能がほとんど失われた国カンボジア。この「虐殺を知らない子供たち」が新しい国を作ってくれることを切に祈っています。(森山たつを)
森山さんと、HUGS社長黒川さんによる学生限定のイベントが、(2015年)2月16日(月)に東京で行われます。カンボジアの現在と未来、そして日本の学生の未来をお伝えします。アジア・カンボジアに興味のある方、トビタテ!留学ジャパンプログラムで国からの奨学金をもらっての海外インターンに興味のある方、ぜひお越しください。