現地の感覚をつかむ
実はサムスンがこういう手法をつかっています。彼らが駐在員を派遣するときは、一定期間、一切仕事をせずに、現地に徹底的に溶けこむようにさせます。現地で家を借り(時には買って)、現地のひとと同じ生活をさせ、現地の言葉を覚えて、人脈をつくります。
「地域専門家」という制度です。
サムスンと同じようなことをするには、多大なコストがかかりますが、佐藤さんの例のように在宅ワーク型で実現すれば、非常に低コストです。
後日談としては、結局、インドネシア進出は本社側の都合により中止になってしまいました。
そのかわり、佐藤さんは、会社をやめてインドネシアで独立してしまいました。結果として、佐藤さんは実にスムーズに事業を立ち上げられたといいます。半年のあいだ、在宅ワークをしながら情報収集ができたわけですから。理想的な独立までの期間だったと言えましょう。
会社としては佐藤さんを失ったわけで痛手になってしまいましたが。
このような形で、世界中にノマド在宅型の社員を一定期間派遣するという方法で、現地の感覚をつかむという手法は、検討に値するとおもいます。(大石哲之)
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