海外進出をスムーズにする「ウルトラC」とは

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現地の感覚をつかむ

   実はサムスンがこういう手法をつかっています。彼らが駐在員を派遣するときは、一定期間、一切仕事をせずに、現地に徹底的に溶けこむようにさせます。現地で家を借り(時には買って)、現地のひとと同じ生活をさせ、現地の言葉を覚えて、人脈をつくります。

   「地域専門家」という制度です。

   サムスンと同じようなことをするには、多大なコストがかかりますが、佐藤さんの例のように在宅ワーク型で実現すれば、非常に低コストです。

   後日談としては、結局、インドネシア進出は本社側の都合により中止になってしまいました。

   そのかわり、佐藤さんは、会社をやめてインドネシアで独立してしまいました。結果として、佐藤さんは実にスムーズに事業を立ち上げられたといいます。半年のあいだ、在宅ワークをしながら情報収集ができたわけですから。理想的な独立までの期間だったと言えましょう。

   会社としては佐藤さんを失ったわけで痛手になってしまいましたが。

   このような形で、世界中にノマド在宅型の社員を一定期間派遣するという方法で、現地の感覚をつかむという手法は、検討に値するとおもいます。(大石哲之)


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大石哲之(おおいし・てつゆき)
作家、コンサルタント。1975年東京生まれ、慶応大学卒業後、アクセンチュアを経てネットベンチャーの創業後、現職。株式会社ティンバーラインパートナーズ代表取締役、日本デジタルマネー協会理事、ほか複数の事業に関わる。作家として「コンサル一年目に学ぶこと」「ノマド化する時代」など、著書多数。ビジネス基礎分野のほか、グローバル化と個人の関係や、デジタルマネーと社会改革などの分野で論説を書いている。ベトナム在住。ブログ「大石哲之のノマド研究所」。ツイッター @tyk97
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