弁護士解説 未払いの残業代には消滅時効があり、法律上2年
頑張って取り組んでいたプロジェクトから、少し体調を崩しただけで外されてしまうのは納得いかないですよね。しかも、残業代すらもらえていないなんて・・・。
残業代を支払わないブラック企業はかなり存在します。残業代を請求しない労働者も多いですが、残業代は法律上、労働者に認められた権利なので、しっかり請求していただきたいです。
会社は、労働者に所定労働時間を超える残業をさせた場合は、その対価として残業代を支払う必要があります。
ご相談者の方は、プロジェクトに参加していた期間は、毎日5時間もの残業をしていたとのことなので、会社は原則として残業代を支払う必要があります。また、プロジェクト期間以外にも残業をさせていたのであれば、当然、残業代を支払う必要があります。
残業代の請求に当たっては、残業した時間を証明するため、タイムカードや出退勤の記録が重要な証拠となってきます。会社で記録されるものがベターではありますが、会社が勤怠管理をしていない場合、ご自身のスケジュール帳への記載やメモ等も証拠として活用できることもあります。
ただ、未払いの残業代には消滅時効があり、法律上2年となっています。具体的には、現在から2年前のお給料日以降であれば請求することができます。
ご相談者の場合、プロジェクト中の残業代の消滅時効は、まだ先ですが、それ以前の残業代を請求する場合には時効に注意してください。
催告書面を送付すると一時的に時効が中断しますので、まずは、早急に会社に催告書面を送るべきです。この書面には正確性が求められますので法律の専門家である弁護士に作成してもらうとよいでしょう。そして、会社がこちらの納得のいく残業代を支払わないのであれば、労働審判や訴訟を検討していただければと思います。
今回のケースでは、会社はご相談者をプロジェクトから外すという配置転換をしております。配置転換は会社がある程度自由に行うことができるため、配置転換について会社と争うのはおすすめできません。一方、残業代に関してはご相談者に分があると思いますので証拠集めと時効に注意し、ぜひとも残業代を勝ち取って下さい。(文責:「フクロウを飼う」弁護士 岩沙 好幸)
ポイントを2点にまとめると、
1:会社は、労働者に所定労働時間を超える残業をさせた場合は、その対価として残業代を支払う必要がある。
2:未払いの残業代には消滅時効があり、法律上2年。具体的には、現在から2年前のお給料日以降の期間であれば請求することができる。
以上で法律の話はおしまいです。実はいま、弁護士が登場する映画『ジャッジ 裁かれる判事』(公開中)を、アディーレがプロモーションのお手伝いをしながら応援しています!
私も、先日あった映画のイベントにイケメン弁護士の1人として登壇し、女優の山村紅葉さんと共演しちゃいました !!