三井物産(本社・東京)は2015年1月20日、4月1日付で、現・執行役員の安永竜夫氏(54)が社長に昇格すると発表した。副社長ら「32人」を飛び越えての大抜擢と報じられ、ネットでは、「すごい!」「日本を代表するような大企業で、54歳の社長とは!」と驚きの声が挙がった。一方で、「飛び越えられた」方の人たちの、複雑であろう心中を察するコメントも見受けられた。
島耕作の上司は「35人抜き」で社長に大抜擢
新社長の安永氏は、愛媛県出身で、1960年生まれの54歳。東京大学工学部を卒業後、83年に入社した。米国駐在や、プラント部門を経験し、2013年には執行役員となっていた。
昇格発表を伝えるニュースが流れると、安永氏と同じ「愛媛出身」という人たちは、早くもお祝いムードに包まれた。「三井物産社長に今治出身の安永氏が!最年少32人抜き昇格へ!すご~い!ヤッター♪\(^o^)/」、「三井物産の新社長、愛媛出身なんだ~。勝手に親近感!」と、興奮気味のつぶやきも目立つ。
今回の「32人抜き」抜擢人事に、講談社の『島耕作』シリーズを思い出した人も多いようだ。同作品では終盤、島耕作の上司である中沢部長が、実に「35人抜き」で社長に抜擢される話がある(新装版、『課長 島耕作』第8巻)。ツイッターでは、三井物産の安永氏に対して、「リアル島耕作だ!」とか、「まさに島耕作の世界。中沢さんのサクセスストーリーのようで、痛快!」などのつぶやきもみられた。
しかし、サラリーマンの多くは、安永氏のような『抜擢人事』とは無縁のまま、定年を迎える。ツイッターでは、「三井物産の次期社長が、自分より若いと知ってしまったオジさんたちのため息が、そこら中で聞こえるにゃー」と、55歳以上のオジさん世代に思いを馳せる人もいる。
また、「今に見ていろよ!という人がたくさんいて、そのうち倍返しくらいそう」、「抜かれた人たちの反感を買って、足を引っ張られることはないんだろうか? 抜かれた人は異動か辞めちゃうってことかな?」と、早速、「抜かれた32人」が「その後どうするか」、に注目する人もいた。(KH)