強靭メンタル社員の10箇条 成功を呼びこむ秘訣はコレだ

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   今回は、何かとストレスの多い職場環境にあって、逆にストレスさえ自分の強みに転じてしまうような「強靭メンタル社員」の10箇条について、一般社団法人日本メンタルヘルス講師認定協会の代表理事・見波利幸氏に解説してもらった――。「強靭メンタル社員」とはイコール「デキる社員」のこと。10箇条のうち、すでにあなたはいくつ備えていますか?

ポジティブな認知が感情のコントロールにつながる

□仕事の価値観を創造している

   その会社で働く意味やその仕事をやる意味・価値をより強く感じることによって、モチベーションが高まり、仕事や人生に対する肯定的な気持ちを高めることができます。自分自身が大切にしているもの、仕事を通して何を得たいのか、その大切なものと仕事を連動させることが必要となります。


□将来的な仕事のビジョンが明確になっている

   10年後、20年後のビジョンを持つことは、成長意欲を高め、ストレス耐性を高めることができます。併せて仕事や人生に対する期待や希望も高まり、職務満足感も向上していきます。しかし、明確なビジョンがないと、言われた仕事だけやるようになり、目の前の仕事やストレス、人間関係の問題がその人のすべてになってしまいます。


□仕事の目標を自分で決めている

   目標を自分で決めるなどの自己決定が、その目標を達成できるという自己効力感を高めることになります。外的な動機づけではなく、自分自身の内面から湧き出る内発的動機づけを高めるためには、この自己決定と自己効力感を高めることが必須です。会社や上司から言われた目標に対し納得していなければ、まだ自分の目標にはなっていません。人に言われても自分で納得し、受け入れた瞬間から、自分の目標となります。


□仕事の失敗は学びに変えている

   仕事上の失敗は誰でも起こります。その失敗を次に活かして、より大きな仕事をしたときに失敗せずに確実に成果を上げることができれば、むしろ前もって失敗してよかったことにもなり得ます。その失敗をいつまでも引きずっていれば、自信がなくなり、罪責感や無能感も高まり、パフォーマンスは低下します。考え方や受け取り方を変えるなどポジティブな認知が感情のコントロールにつながります。


□必ず専門性を持っている

   技術職では専門的な知識を高める、これから必要となるものを先取りする。営業職ではプレゼンスキルや情報収集力、交渉術や傾聴力など、どんなことでも人より秀でることで自信が高まります。「この専門性は会社の誰にも負けない」「○○については○○社の誰々が詳しい」など専門性を評されることで、簡単に折れないメンタリティを高めます。


くつろぎの時間を意識的に持つ

□小さな約束でも絶対に守る

   仕事を成功させる人や大きな仕事を成し遂げる人は、必ず多くの人から支えられています。換言すれば、どれだけ多くの人に支えられているかで、その人のパフォーマンスが決まってしまいます。小さな約束も大事にする、困っていたら助ける、辛いときには傾聴してあげるなどの行為は、人間関係を構築するうえで欠かせません。人は自分を助けてくれた人には必ず手を差し伸べます。それを打算で行動するのではなく、純粋な気持ちで他者に援助できるパーソナリティが必要です。


□職場でよく笑う・冗談をよく言う

   強靭なメンタルには自律神経をコントロールすることが必要となります。交感神経系と副交感神経系の2つをうまくコントロールすることで仕事のパフォーマンスは格段にアップします。集中することや緊張作業をしているときには交感神経系が優位になります。この状態を過度に継続させずに、適度に冗談を言って笑ったり、くつろぎの時間を意識的に持ったりすることで、ここぞという時の集中力と持続力が生まれます。


□小さい仕事を後回しにしていない

   仕事の優先順位を付けない人は、「あれもやらなければならない」、「これもやらなければならない」とあたふたしたり、混乱したりすることになります。できない人は、小さな仕事をどんどん溜め込んで積み増していきます。より一層「あれもこれも・・・」のスパイラルに陥ります。できる人は、午前中に小さな仕事を片っ端から片づけてしまい、午後にじっくり時間のかかるものに取り組むなどの優先順位を必ず付けています。


□仕事以外に世界を持っている

   仕事以外に好きなものを持っている人は、仕事のパフォーマンスが高い傾向にあります。どんな趣味でもスポーツでも、時間を忘れるくらい没頭できるものが必要です。人が何かに没頭している時に得られる独特の心理状態のことをフロー理論といい、仕事でそれが得られている状態をワーク・エンゲイジメントといいます。積極的な仕事への関与、仕事への没頭状態を意味しますが、プライベートで没頭し充実することで、仕事に影響を与えることになります。


□背負っているものがある

   常に不平不満を口にする人に仕事のできる人はあまりいません。仕事のできる人は常に感謝する気持ちを持ち合わせています。「この人のためにも頑張りたい」「その人の期待に応えたい」「この人を守るために耐えられる」という他者期待の高い人こそ、強靭なメンタルを作り上げます。人は恩返しのためなら進んで苦行も行うことができるのです。


   以上、10個全部備える人は間違いなくデキる社員といえますが、一つひとつでも実践していけば成功は向こうからやってくることでしょう!

月刊『人事マネジメント』編集部/2014年6月号~11月号連載「シニア社員の活躍で会社は驚くほど成長する」一般社団法人日本メンタルヘルス講師認定協会の代表理事・見波利幸著)

上場・中堅企業の人事・総務部門に多くのコア読者を持つ月刊ビジネス誌。専門性の高い著者・ベテラン記者らによる鋭利なコンテンツラインナップが評判。1991年創刊以来、これまでの取材先企業は1,000社を超える。本連載では月刊『人事マネジメント』掲載記事をJ-CAST会社ウォッチ企画として抄録し公開している。
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