スキル=顧客=お金ではない
独立のタイミングとして決定的に間違いなのは、いままで説明した2つの独立タイミングの裏返しになる。
まずは、
●自分が独立したいタイミング(資格をとった、会社が嫌になった、スキルを得た)時点で独立してしまう
こと。資格だけあっても、顧客がいなければ食えない。たとえ弁護士や司法書士などの難関資格を取ったところで、顧客がいなければ、弁護士の登録料すらも払えない状況に陥るだろう。
スキルが高まっても、スキル=顧客=お金ではない。
顧客がついていない段階で、独立することは、非常なリスクを伴う。多くは結局半年ほどして就職活動を再び始めることになる。ゼロから半年で顧客がつくのは稀だ。
もうひとつは、ラーメンなど、FC独立のパターンにありがちなものだ。
・自己資金がたまったので独立してしまう。
というもの。夢の開業資金がたまった。むしろ開業のためにためてきたので独立するというもの。その資金を使い果たしたらどうするのか?
リスクのある事業をする場合は、他人のお金でやったほうがいい。そうでなければ、最後は破産して何もかもを失うことになる。
退職金を事業資金にあてれば、いまなら独立できる、といった考えは危険だ。
その退職金は1年後にはなくなり、事業が成功しているかは誰にも分からない。(大石哲之)