自己PRでダメになる必敗パターンとは?
「相棒」のネタにもなった自己PR。この自己PRについて、段々とバカバカしいと思う企業が増えてきました。
取材を進めると、必勝パターンの逆、必敗パターンが自己PRには存在することが判明します。
それは、「学生時代に頑張ったこと」など他の質問でも自己PRを絡ませることです。
「自己PRは自己PRで質問をして聞いているのに、それ以外の質問にも自己PRを絡ませるのは、かなりうざったい。聞かれたことをきちんと答えられていないのはコミュニケーション能力が低すぎる。そんな学生に内定は出せない」
こう話す採用担当者も珍しくありません。
「そもそも、自己PRは良く言おうと思えば誰でもよく言える。だったら無理に聞く必要はない」
として、自己PRを面接で聞くのをやめる企業も増えています。
一方で自己PRを面接で聞く企業もあります。ところが、そうした企業が自己PRを重視しているか、と言えばそうでもありません。
自己PRを話すため事前に準備している学生からすれば、聞かれないと不安になってしまいます。
「自己PRを一度、聞くのをやめた。すると、『なんで自己PRを話させてくれないのですか?』と聞いてくる学生が続出。仕方ないので翌年から、面接で自己PRを聞くことを復活させたが、実はほとんど聞いていない」
ある採用担当者はこう話してくれました。一度やめるところまで行かない企業でも「自己PRは一応は聞いているけど」と話すところが多数あります。それは自己分析を元とする自己PRよりも学生個人の話こそ重要と考えるからです。これが「一応」の正体、つまり重視しているわけでも何でもありません。
この点からも自己分析はがっちりやらなくても、と私は思うのです。
最後に、「相棒」に戻り、杉下警部のコメントを引用します。被害者の学生はボランティアを就活目的でやっていたわけでなく、だからこそ面接では利用したくない、との思いからあえて話していませんでした。杉下警部は、それが間違いだとしてこう話します。
「就職面接がその人間の本質を見極めるものであるのなら、純粋な気持ちで行った彼女の行動こそ堂々と話すべきでした。その姿こそ彼女そのものだったのですから」
ぜひ参考にしてほしいと思います。(石渡嶺司)