就活殺人事件のナゾを解け 「相棒」刑事が追い詰める「自己PR」のワナ

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   今回のテーマは前回に続いて自己分析です。

   前回は肯定派・否定派双方の主張や背景を比較したうえで最適である進め方を見ていきました。

   この過程で、採用担当者が自己分析をどう見ているか、その中で自己分析を元とする自己PRについて「一応は聞く」が多数。この「一応」とは?それと、就活生の間でよく言われる「盛る」はどこまで有効かを見ていきます。

経歴詐称までは行かないものの・・・

いったい何が起きたんですか?
いったい何が起きたんですか?

   「盛る」とはエントリーシート・履歴書で自身の学生時代等をよく見せようとする行為の就活スラングです。

   もちろん、所属大学や取得した資格などを詐称する、というところまでは行きません。

   具体的には、

・サークルに入っているだけ→サークルで副部長
・20人のサークルで部長→200人のサークルで部長
・自転車旅行で日帰り旅行が趣味→自転車で日本一周
・アルバイトでホール係→アルバイトでホール係のリーダー
・ボランティア活動を見学して話を聞いただけ→井戸掘りのボランティア活動に明け暮れた

   まあ、ウソと言えばウソだし、でも、経歴詐称までは行かないギリギリのところ、これが「盛る」です。

   就活カウンセラーによっては、この「盛る」を

「経歴詐称ではないから構わない」

として勧める方もいます。それから、学生も、

「平凡な経歴や学生時代よりは多少でも目立った方がいい」

として、この「盛る」を積極的に活用する方が一定数います。

   まあ、学生時代の経歴など採用担当者は確認しようがありません。そこで、学生はたとえば自転車旅行なら日本一周をした学生に話を聞く、そうした学生のブログを読むなどして自身の経験であったかのように話すわけです。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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