成績は優秀だが「研究に向いていない」学生のタイプ

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「卒業研究で先生の研究室に配属になりました●●●です。よろしくお願いします」
「そうか、たしか君はうちの学科の主席だよね。大学院進学希望だったっけ。卒研は大変だけど頑張ってね、期待しているよ」
「ハイッ!ところで、卒業研究は何曜日の何時間目に開講されるんでしょうか?時間割表に載っていないんですが・・・」
「えっ?研究は毎日、朝から晩まで。それも、大学院生は学会前には休日返上で徹夜でやってるよ。まあ、ゼミの時間は決まってるけどね」
「・・・」

毎日毎日、朝から晩まで、失敗を重ね続ける

向いてないかもね、研究
向いてないかもね、研究

   理系の研究というのは時間無制限で一本勝負という側面が強い。時間無制限とはいえ、実際は、報告会や卒業論文、また、学会発表などの節目節目の締め切りに追われるし、一本勝負に負けたら「成果なしで発表できない」という悲惨なことになる。

   卒業研究でもこのプロセスのさわりを体験していただくことになる。しかし、成績が良くてもこの研究というプロセスに向かない学生もいる。建前上、研究というのは

「答えが見つかっていない、前人未到の問題」に挑む、

ということになる。卒業研究も同じである。ただし、ややもすると

「答えを見つける必要がない、誰もやる価値を見いだせない問題」に挑む、

ということになりかねない。

   まあ、イグノーベル賞でも取れればいいけどね。イグノーベル賞って、日本人受賞者がやたら多いけど・・・国民性かな。

   という訳で、卒業研究に挑む学生は研究室で、朝から晩まで実験・勉学に励むことになる。これが結構大変である。前にも書いたが学生実験は「上手くいくのが普通」、研究は「上手くいかないのが普通」。つまり、毎日毎日、朝から晩まで、失敗を重ね続けることになる。当然、失敗を糧にして改良・改善をするけどね、そう簡単にはいかない。マジで精神的に参ってしまうのでは、と思ってしまう。このプロセスに馴染めない学生は、研究をやるのに向いていない。

プロフェッサーXYZ(えっくすわいじぃー)

国立大学を卒業し大学院修了後、助手として勤務。現在は東日本の私立大学の教授であり、フラスコを持ったリケジョの研究指導をしたり、シュレディンガー方程式に頭を悩ませる男子学生の教育を行ったりしている。受験戦争世代と言われた時代から、バブル世代、ゆとり世代、そして、ゆとりは終わった?という現代まで様々な教育・研究現場を肌で体験している。大学教育のみならず初等~高等教育の現場とかかわりを持ち、日々「良い教育は?」の答えを模索し続けている。ちなみにカクテル好きというわけではない、下戸である。また、「猫」も飼っていない。
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