年末年始に一部ネット界で話題になった「ぼったくり居酒屋」閉店騒動などのニュースを見るにつけ、つくづく「悪事が筒抜けになる時代」になったと感じる。
今後、従業員に報いることなく、私利私欲優先で違法放置のブラック企業はもはや生き残れなくなることは間違いない。一方で、誠実なビジネスを全うしていれば応援される時代になる、ともいえる。これから複数回にわたって、年末年始に話題になった「ハローワークでブラック企業の求人お断り」「同一労働・同一賃金」といったテーマに交えて、ブラック企業について議論をしていきたい。
現状では「求人票に書かれている内容」のみが問題に
現時点ではあくまで検討段階であるが、厚労省において
「新卒者を募集する企業が、法律違反を繰り返すブラック企業と判明した場合、ハローワークでは求人を受け付けない制度」
をつくる方向で検討に入ったというもの。共同通信などが報じている。
現行法では、ハローワークでは求人の申込に対して、「求人内容に違法性がない限り、すべて受理しなければならない」という決まりがある。違法性を問われるのはあくまで「求人票に書かれている内容」のみであるため、その企業が入社後に求人票に書かれていることを無視して、過酷な労働条件を強いたり、残業代の不払いなどを繰り返したりする「ブラック企業」であっても、募集はできてしまうわけだ。
新たな制度では、入口段階でブラック企業へは入社させないようにする仕組みであるから、充分評価できるものだ。新卒に限らず、中途含めすべての採用において実施して頂きたいし、今までそうでなかったことがそもそもおかしいといえるくらいである。