「わら人形に針」実験で判明 「仕事中の甘い物」は理にかなっていた

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   デスクワークの最中、何となく甘い物が欲しくなってしまう人は少なくないのでは。最近では「オフィスグリコ」などの置き菓子サービスもあり、気分転換にちょっとつまみ食い、というのも珍しくないが、「勤務中にお菓子なんて・・・」と白い目で見られてしまう職場もまだあるだろう。

   しかしこのほど、仕事中に甘い物を食べるのは理にかなっている、という研究成果が明らかになった。なんでも、「チョコレートを食べると自制心が強まる」というのだ。

「話し合いの前にはチョコレートを食べておくべき」?

チョコのつまみ食いは許して!
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   気になる研究成果は、ウォール・ストリート・ジャーナル日本版に掲載された記事で紹介されている(2014年12月4日)。

   フロリダ州立大学のロイ・バウマイスター氏は、被験者に「1月から順に月の名を言うのではなく、12月から逆に言う」というような「認識の負荷」を高める課題を与えるという研究を行った。こうした課題が与えられた被験者の血中ブドウ糖レベルは急低下するが、課題をこなしている最中に甘い飲み物を飲むと、「自制が顕著に改善する」ことがわかった。

   さらにオハイオ州立大学のブラッド・ブッシュマン氏のチームは、夫婦に数週間にわたって毎日血糖値をモニターしてもらい、パートナーに怒りを覚えた夜にその値を測る。さらにパートナーをイメージしたわら人形に針を刺してもらい、その数で怒りの程度を示させる、という研究を行ったところ、血糖値レベルが低いと針の数が増えていたという。

   記事では、「緊張を伴う話し合いをする時には前もってチョコレートを食べておくべきかもしれない」とまとめている。

摂り過ぎると逆に仕事の効率を下げるおそれも

   活発な脳の働きの維持と、ブドウ糖摂取との関係については、たとえば、ブドウ糖を販売するロングランのサイト「ブドウ糖 ドット ジェーピー」では、

「脳は、体全体のエネルギーの18%も消費するそうです。(ブドウ糖以外の栄養素も含む全てのエネルギーを100%として)つまり脳は他の臓器よりも多くのエネルギーを消費しています。そして、ブドウ糖だけをエネルギー栄養素としている脳は、全体のブドウ糖消費量の内46%も消費されていると言われています。人は1日に何もしなくてもおよそ260g、脳だけでも120gのブドウ糖を消費しています。体が寝ている時でも、脳は休みなくエネルギーを消費し続けてますから、常に1時間当たり5gのブドウ糖を消費している計算になります」

と説明されている。

   ただ、もちろん摂り過ぎは禁物。糖分の過剰摂取は肥満につながり、高血圧や高中性脂肪血症、糖尿病など、生活習慣病のリスクも高まる。

   それだけでなく、「逆に仕事の効率を下げる」可能性もあるという。マイナビウーマンの「あなたの仕事効率を上げる甘い物と下げる甘い物」という記事(13年12月28日)では、

「糖分をとった後に、血液中のブドウ糖を消すインスリンを分泌しすぎる傾向があると、インスリンが糖を除去するため、かえって血糖値が下がってしまいます。血糖値が下がると脳にエネルギーが行かなくなるため、脳がうまく働かなくなってしまう」

と指摘している。

   甘い物などを食べる時は、農林水産省が提案する「食事バランスガイド」で、「菓子・嗜好飲料」の目安が「1日200キロカロリー」とされているのが参考になりそうだ。(MM)

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