「自己分析」肯定派VS否定派 採用担当者への取材結果から導いた答えは・・・

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「自己分析→業界研究」の順が失敗の元?

   いかがでしょうか。特に「就活イベントやセミナーなど、参考になるかどうかわからなくても、一人でどんどん参加する」は重要です。

   自己分析肯定派の就活コンサルタントによっては、「自己分析→業界・企業研究」という順で進めることを推奨しています。

   それから、学生によっては、

「志望動機がはっきりしないから、まずは自己分析をしっかりやってから志望業界を決めたい」
「どの業界もよさそうに見える。だったら、まず自己分析を固めてから業界研究に移る方がよさそう」

などと考えてしまいます。

   しかし、これはあまりうまい方策とは言えません。実際、このような自己分析にこだわりすぎる学生は就活で苦戦してしまいます。

   タイトルを一見しただけでは、就活生は「自分には関係ない」と思ってしまいそうな本として『大二病 「評価」から逃げる若者たち』(難波功士、双葉新書)があります。

   ところが、中身は学生生活論と就活論で、大学生・就活生にお勧めできる良書です。なお、著者は関西学院大教授で元は博報堂社員。

   同書の中で自己分析について、触れている部分があるのでご紹介します。

「極論を言えば『実際にその業界・企業・職場で働いてみない限り、適性の有無はわからない』ものです。自己分析にあまりに拘泥したり、業界・企業の情報収集のみ専心したりということでは、グズグズしているうちにタイミングを逃すだけです。要するに、走りながら考え、考えながら走るしかないのです」

   そういう作業を経験していない学生も多いでしょう。ですが、それが就活と割り切っていただくしかありません。

   内定学生や採用担当者などへの取材から私としては、自己分析については、

・自己分析は適当にやる
・業界・企業研究を進めながらやる
・自己分析の結果が変わっても最初の結果にこだわりすぎない

   この3点をお勧めします。

   ところで、自己分析をこなす理由の一つに自己PRがあります。ところが、採用担当者に取材すると「ああ、自己PRね」と苦笑されることが多数。だからこそ、先ほどの採用担当者の取材結果では「一応は聞く」とまとめたのです。

   では、その「一応」とは何か、それから自己PRにつきものの「盛る」については、次回に続きます。(石渡嶺司)

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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