酔いつぶれても周りから感謝される「飲み方」

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   「会社の行事に参加しない若手社員が多い」ということをたまに耳にします。

   これは会社の風土によるものもあるので、一概にそうとは言えないのではないでしょうか。

   個人的には会社の行事も業務の一環だと思っていますので、基本的には参加した方が良いと思っています。「そんなに嫌なら会社の行事には参加しなくても良い」ということを書いてあるビジネス書もありますが、現実的にはそういうことをやっていると周囲から良い印象は持たれず、仕事もしにくくなると思います。

   会社という組織で生きていく以上、付き合いは大事です。

新リーダーが、いつの間にか盛り上げ役に

酔い方にもいろいろある
酔い方にもいろいろある

   新年早々、忘年会の話をするのもなんですが、忘年会に参加しないのはよほどの用事がない限りありえないです。「終わり良ければ全てよし」なので、普段会社飲み会に参加しない人も忘年会くらいは参加した方が良いでしょう。

   昨(2014)年、ある動物病院の忘年会にお招きいただき、参加させていただきました。

   20代、30代の若いスタッフばかりで女性が多い職場です。

   最初は和気あいあいと穏やかな感じだったのですが、次第にみんな酔いがまわってきて、だんだん酒を飲むペースが速くなり、強い酒を飲み始めました。

   とはいえ悪酔いする人はおらず、楽しい会が続きました。

   その中で、看護師のリーダーになったばかりの女性が、いつの間にか盛り上げ役になっていました。

「あれ、こんなにテンション高かったっけ?」

と思うくらいでした。

   彼女は自ら率先して酒を飲み、また飲ませていました。

   最終的には彼女自身が酔い潰れてしまい、トイレにこもっていましたが、彼女のおかげで例年より盛り上がったのは間違いありません。

   彼女が酔い潰れたからといってダメなリーダーと思った人はいません。むしろ逆です。

「Aさんのおかげで楽しい忘年会だった!」
「良い思い出になった!」

というように感謝していたと思います。

   飲み会は無礼講だからといって何でもありというわけではありません。

   勘違いして上司にタメ語を使ったり、馴れ馴れしくしたりする人がいますが、もってのほかです。

「バカになる」大切さ

   宴会を盛り上げようとしている姿勢は周りに伝わるもので、そういう人は好感を持たれます。普段は真面目に仕事に取り組んでいる人だったらなおさらです。

   それがリーダーだったら部下は親近感を持つのではないでしょうか。

   普段真面目な人だったらそのギャップに魅力を感じる人も多いでしょう。

   ある会社の新入社員で、飲み会があると必ず呼ばれる人がいます。

   その人と全く関係のない部署の飲み会にも呼ばれています。

   私がたまたまその会社の飲み会に参加させてもらった時にもいたのですが、先輩や上司から可愛がられていました。

   素直なので勧められたお酒は全部飲んで、泥酔して帰れなくなってしまったこともあるようです。新入社員ならではの伝説を作り、周りからは「面白いヤツだ!」と思われ、いじられキャラになってしまいました。

   その人は「皆さんに良くしてもらえて会社が楽しいです!」と言っていました。

   例に挙げた2人は泥酔してしまったのですが、共通しているのは周りを楽しませようという姿勢があったことです。

   自らその場を盛り上げようとして、結果として酔い潰れてしまっても周りが楽しんでくれればいい――

   私は、こういう風な行動を「バカになる」と言っています。

   こうした姿勢は仕事にも出るのではないかと思います。

   相手のために今、自分ができることは何か?

   こういうことを考えることができる人なのではないでしょうか。(野崎大輔)

野崎大輔(のざき・だいすけ)

大学卒業後に無職、離職を繰り返し社労士として独立し、企業の労使トラブルの解決に奔走する。2013 年7 月に自律型人材育成専門コンサルティングを行うデストロイ・ジャパン株式会社の創業メンバーに加わり、専務取締役に就任。社員が自発的に行動する組織作りに注力している。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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