安倍政権が「女性役員・管理職の増加」を掲げ、着手・実行する企業も増えるなか、男性のビジネスパーソンからは「目標達成のための、数字合わせの出世なんておかしい」といった不満も上がっている。
一方、「女性が活躍している職場は、男性も働きやすいはずだ」との見方を示す専門家もいる。果たして、女性管理職の増加は、男性社員にとって頭痛の種なのか、歓迎すべき事態なのか。
女性管理職が定着する職場は「部下が自律している」「成果主義」
日経ビジネスオンラインに、「女性が生き生きしている職場は、男性も働きやすいはずなんです」という記事が掲載された(2014年12月2日)。
キャリアコンサルタントの藤井佐和子氏とウィルPMインターナショナルの石田淳氏による女性活用についての対談の第4回で、女性管理職についての話が出た。
藤井氏によると、女性管理職が定着して活躍している企業は、上司が「何となく部下を残して帰りづらい」「いないと職場が回らない」ということがなく、部下に仕事を任せて普通に帰ることができる、部下がきちんと自律した企業だという。
石田氏は、女性管理職が活躍している企業は「仕事のプロセスより生み出した成果を評価している」と見ていて、「女性社員が子どもを迎えに行くために早く職場を出ようが、家に帰って作業をしようが、成果さえ出せば何の問題もない」という雰囲気が定着する、としている。
藤井氏もこれに賛同し、「それは正当な評価と柔軟な働き方を求めている男性社員にとっても、大きなメリットになる」と指摘。「女性が生き生きと働ける職場は、実は男性にとっても働きやすい職場であるはずです」との見方を示した。