「箱根駅伝」優勝監督から学ぶ 経営者に必要な「3つの力」

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営業マインドという名の熱意

   私の話をここまで聞くと、せっかちなT社長は私の話を途中で遮り、いい話を聞いたとばかりに声を躍らせて言いました。

「いいお話じゃないですか。営業マインドという名の熱意、目標に対する進捗意識、チーム意識とゴール到達意欲。弱小チームを優勝に導いた青学駅伝チームに学ぶ3つの事柄の重要性を柱に、年頭の心がまえを皆に話をさせていただくことにします。本当にありがとうございます」

   受話器越しに早々に電話を切り上げようとする社長の気配を察知し、私は続けました。

「社長、社長、まだ続きがありますよ。今お話しした3つのポイントは、それぞれにもうひとつずつ重要な示唆を含んでいるのです」
「もうひとつずつですか?」

   意外な様子のT社長に、私は話を続けました。

   1点目についてのもうひとつ示唆は、あらゆる業務は管理者の営業マインドという名の熱意もまた担当者以上に重要であるということ。こと人材採用に関しては、トップや管理者の熱意が不可欠であるということ、です。

   2点目については、個々人に目標数値を明確にさせ、またその進捗を常に意識させるためには、経営者や管理者が目標管理という月次の進捗管理をしっかりおこなうこと。すなわち、社員の成長を本人任せにしないということ。目標管理の徹底と継続が目標の達成に向けては何より重要であるかということ、です。

   3点目については、ビジョンの明確化とそれをトップ自身の言葉で繰り返し繰り返し語り共有することがとても大切であるということ、です。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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