正社員廃止後の社会 残業減り、賃金上がりやすくなる

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再チャレンジしやすい社会になる

   新卒の時にたまたま不景気で、非正規雇用のまま年を経てしまったという人は多い。そうした人が、後から多少景気が良くなったからと言って、今の新卒と同じように就活して正社員になれるかというと、とても難しい。

   また、新卒で有名大企業に入った人の中にも、後からもっと他にやりたい仕事が見つかったという人も少なくないはず。中には「大学でもう一度学びなおしたい」という人もいるだろう。でも、20代後半ともなると、なかなか再チャレンジは難しい。

   「正社員という名の65歳まで続く一本のレール」が真ん中にドンと居座っている以上、そこからあぶれてしまった人が後から乗りこむことはとても難しく、乗っている人は乗っている人で、それがわかっているからなかなかリスクが取れないためだ。

   でも、レールが無くなればどうか。正社員、契約社員、派遣社員、男性女性、高卒、大卒、新卒、中途を問わず、あらゆる人がその時の能力で処遇されるようになるのだから、誰がどこにいようと再チャレンジはぐんとしやすくなるに違いない。

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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