「固定観念を持たず、今できる最善のことをする」能力
そのために必要な技術は「10年の修行」ではありません。最低限の寿司職人としての技術と、固定観念を持たずに、今できる最善のことを実行する気持ちなのです。
この様な環境で商売をするのは、「10年の修行」で身につけた、寿司とはこういうものだという固定観念は邪魔になるかもしれません。
これは、寿司職人以外の仕事にもいえることです。「日本でいいと思ったことは、必ずしも現地の人にいいと思ってもらえるとは限らない」のです。これは、カンボジアで小さなカレー屋(サムライカレー)をやっていても日々思うことです。
自分たちが「美味い!」って思っても、カンボジア人スタッフは一口でやめてしまったり、カンボジア人スタッフの自信作は我々が食べると甘すぎたり。誰をターゲットにして、どんな料理を出すか、日々試行錯誤です。
これから海外に出て行きたいと思う人は、ぜひ「固定観念を持たず、今できる最善のことをする」能力を身につけてください。もしかしたら、この変化の時代に、日本国内だけで生きて行く人にも重要な能力かもしれません。(森山たつを)