年末年始に「絶対やってはいけない」親子の会話パターン

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会話4

母親:「それで就活はどうなの?テレビとか見ていると色々大変そう」
子:「うーん、なんかまだよくわからないんだよね」
父親:「そうか、確かにスケジュール変更もあって大変そうだな」
子:「そうなんだよねえ・・・」
母親:「お母さん、ファッション業界とか面白そうと思うのだけど、どうかしら?私も若いころ、就職したかったところだし」
父親:「まあ、そうだろうけど、本人がやってみたい業界なり企業なりを目指すのがいいんじゃないか」
子:「うーん、まだ志望業界とか決まっていないんだよねえ」
母親:「だったらファッション業界、いいじゃない」
父親:「まあまあ。あまり押し付けても混乱しちゃうだろう。それに就活では志望業界を最初から決め打ちしない方がいい、と『シュウカツノナントカ』にも書いてあったぞ」
子:「そういえば、キャリアセンターのガイダンスでも言っていた。それから説明会とかインターンシップとかどんどん行けって。でも、面倒だなあ」
父親:「なんだ、就活もお父さんの仕事とそれほど変わらないな」
子:「変わらないって、どういうこと?」
父親:「お父さんの仕事も面倒は多いさ。だけど、ムダと思えることもあえてやったり、失敗することも積み重ねで次につながることもある。そういうの、就活も同じなんじゃないか?」
子:「そういえば、お父さんの会社の話、私、全然聞いたことないよね?せっかくだから教えて」


【採点:父親 A評価、母親 D評価、子 B評価】

   解説:まず、母親は論外。「若いころ目指していたから」という理由で志望業界を誘導するな、と小一時間説教したいところです。この妻(母親)を抑えつつ、「大変そうだな」「本人に任すべき」と我が子をたてる父親はA評価。「説明会・インターンシップが面倒そう」と話す我が子を説教するわけでなく、「就活も仕事も同じ」と話して、自分の仕事の話に誘導するあたりが絶妙です。

   学生も、内心ではどう思ったか知りませんが、その誘導にちゃんと乗って話を聞こうとする姿勢がいいですね。

   気がかりなのは、この母親が「父と娘の会話で盛り上がって私だけのけ者にして」とむくれている可能性があること。そこはまあ、夫婦の会話でどうにかしてください(他人事)。


   仕事の話は普段、なかなか親子で話すこともないでしょう。しかし、親の仕事の話は必ず得るものがあるはず。せっかくの年末年始なので、仕事の話を聞いてみる(親側はしてみる)のはいかがでしょうか?それではよいお年を!(石渡嶺司)

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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