アベノミクスが2015年のお年玉戦線(?)にどんな影響を与えるか、は定かではない。「冬のボーナス5.7%増、全業種で伸び 経団連集計」(日本経済新聞2014年11月13日配信)といったニュースをしっかりチェックし、増額や「お年玉をくれる人の層が広がる」ことへの期待に胸をふくらませている子供もいるかもしれない。
これからのお正月休み、上司や先輩の家に初めて招かれるという人もいるだろう。その際、上司や先輩に小学生などの子供がいる場合、気になるのは「お年玉」をあげるべきなのかどうかだ。親戚の子供なら、当たり前にあげるものだが、上司の子供となれば、判断に迷う人も少なくなさそうだ。正解は・・・。その理由とともに紹介する。
お年玉もらうことを期待するのが子供の心理」という指摘も
質問サイト、ヤフー知恵袋には2014年の年初、上司の子供にお年玉をあげても良いものなのか、あげるとして何歳ぐらいの子供からあげるのか、といった疑問が寄せられていた。
2013年にも、「彼氏の上司の子供に、お年玉はどうすればいいでしょうか?」(9月21日)という相談が載っている。「現場系の仕事」の彼氏と付き合っているという女性が質問者で、彼氏に「上司というか親方と先輩」がおり、それぞれ3人、2人の子供がいるという。
彼氏は職場で「一番したっぱ」だが、「親方は彼氏を可愛がってくれていて、お世話になっている」ので、夏の御中元は渡したそうだ。そして、冬シーズンにむけ、
「(お子さんに)お年玉は渡した方がいいのでしょうか? 渡すとすれば、いくらぐらいが良いものなのでしょうか?」
と頭を悩ませている。確かに、お中元を渡すような付き合いをしているのであれば、お正月の挨拶として、子供たちにお年玉を・・・という気持ちも、分からなくはない。
回答者からは、「たとえ『雀の涙』のような量でもあげたほうが、人間関係的にもいいと思いますよ。こういうのは気持ちがいちばん大事ですからね」とか、「お正月に会う大人からは、お年玉をもらうことを期待するのが子供の心理でしょうね。直接その子供さんたちと会う機会があるのであれば、何がしかは渡された方が、子供たちの期待は裏切らないと思います」などのアドバイスが寄せられた。やはり、上司や先輩の子供たちには、「お年玉」をあげるのが正解なのだろうか。
お年玉は、「目上の者が目下の者にあげるもの」
オリコン(本社・東京)が運営するサイトでは、「上司の子どもにあげるのはNG? お年玉の注意点」と題する記事を配信していた(2012年1月1日)。「お年玉」はもともと、年神様からの『御魂分け(みたまわけ)』と言われており、かつては「主人から使用人へ、家長から家族へ贈られる正月の贈答品の総称」だったそうだ。
記事のなかで、和文化研究家の三浦康子氏は、お年玉とは本来、「家長から家族へ、目上の者が目下の者にあげるものなので、目上にあたる上司や先輩の子どもにお年玉をあげるのは失礼」と解説。どうしても渡したい場合は、『玩具料』『文具料』などの名目にするのが良いそうだ。
もっとも、『玩具料』『文具料』として渡すとなると、それはそれで大変そうだ。先の相談女性に対しても、
「いちいちそんな間柄程度で、お年玉なんてやってたらきりがありません」
とのアドバイスも寄せられていた。相談内容によれば、上司や先輩の子供は、合計5人。名目が「お年玉」であれ、「玩具料」であれ、仮に全員にあげるとなれば、出費もバカにならない。
もし、上司の子供に「目下の者が『お年玉』を上司のお子さんにあげるのは、失礼にあたるんだよ」と説明しても、「それじゃ、『玩具料』でいいから欲しいな」と納得してもらえないかもしれない。そんな時は、どうすればいいのだろうか・・・。上司の家族と、どこまで関わるか。線引きは意外と難しいようだ。(KH)