「離婚するかもしれないから、公務員になったの」 そんな女心を読み解く

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   先日、公務員の彼女がいる男性と話していたところ、「彼女がさぁ、『あなたとは結婚したいけど、万が一、離婚しても大丈夫なように、私は公務員になったのよ』って言うんだ。どういう意味だろう?ちょっと不安なんだけど」と、言っていました。

   学生時代から付き合っている2人。就活を迎えた彼女は、彼との将来を考えて「公務員」を選んだそうです。「もしかしたら、離婚するかもしれないから」。彼女の言葉には、複雑な女心が隠されているようです。

好きだからこそ「離婚に備える」?

不安なの
不安なの

   「あなたとは結婚したいし、子供は2人欲しい。でも、離婚するかもしれない。公務員なら、離婚しても、子育てと仕事を両立できると思うの」と言う彼女。それを聞いて、彼は「自分のことを愛していないのではないか?」と、複雑な気持ちになったそうです。

   かつて「公務員」は、女性にとって数少ない、経済的自立の道でした。今のように、女性の就労が広がっていなかった時代、自立を求めて、公務員を選ぶ女性は多かったのです。現代の彼女もまた、経済的自立と「夫からの自立」を求めているのでしょうか。いや、むしろ「逆」ではないかと感じました。

   結婚するときから、「この人と離婚するかも」と考える女性は、ほとんどいません。が、今は「夫婦の3組に1組が離婚する時代」です(この数字は、その年の婚姻件数を分母に、離婚件数を分子として算出するもので、適齢期の若者が減れば離婚率は高くなります。が、もはや離婚が、決して珍しくないものになっていることは確かです)。

   彼女はきっと、「今は互いに大好きな関係でも、将来は何があるかわからない。ひょっとしたら離婚するかもしれない」と、不安で仕方がないのでしょう。好きだからこそ、離婚した時のダメージも大きいだろうと、先回りして心配しているのです。

北条かや(ほうじょう・かや)

1986年、金沢生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。著書に『本当は結婚したくないのだ症候群』『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』。ウェブ媒体等にコラム、ニュース記事を多数、執筆。TOKYO MX「モーニングCROSS」、NHK「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」(2015年1月放送)などへ出演。
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