「勝敗を分ける」就活本の選び方 SPI編「その対策では空回り」

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同レベル学生の合否が分かれるのは対策本のせい?

   むかしむかし、ではない、つい最近、文系大学文系学部にAさんとBさんがいました。2人は仲良しであり、文系学生にありがちな数学嫌いであり、普通の学生と同様それなりに努力家でした。

   就活でもそれなりに頑張ろうと思ったAさんとBさんは数学が嫌いでは適性検査も突破できないと考え、対策本を購入。少なくとも最初の1週間は1日1時間勉強していました。

   しかし、Aさんは適性検査に突破し志望企業に内定。一方のBさんは適性検査にまるで通らず連戦連敗となりました。めでたし、めでたし?いや、Bさんからすればめでたくもなし、と。

   同じ時間を適性検査対策にあてたにも関わらず、差が出てしまうのか、その理由は適性検査対策本にあります。

   Aさんが購入した適性検査本は能力検査・非言語分野について、推論、集合などのテーマが先に並んでいます。数学が得意な理系学生であれば簡単なのですが、数学のパズルのようなもので、文系学生は大体が苦手。しかし、Aさんはめげずに対策した結果、解答できるようになりました。

   一方のBさん。Aさんと同じように書店でSPI本を選びます。まず、Aさんと同じ本を手に取りますが、推論だの集合だのと言われても理解できません。そこで次の本を手に取ると今度は鶴亀算、速さの計算など分かりやすい問題から並んでいます。

   おお、これは分かりやすい、とBさんはこの本を購入。実はここが大きなターニングポイントなのです。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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