4人に1人が「自分の勤務先はブラック企業」 ホントにこんなに「ブラック」だらけなの?

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   「ブラック企業」という単語がすっかり浸透し、自身の労働環境の劣悪さを訴える声も年々目立ってきている。

   それを裏付けるかのように、「自分の勤務先はブラック企業だ」と考えている人が4人に1人もいる、という調査結果が発表された。一方で、「大げさでは?」と疑問視する人も少なくない。

「ブラック企業だと思う」、20代では32%超

あなたの勤務先はブラック企業?
あなたの勤務先はブラック企業?

   連合(日本労働組合総連合会)の調査(20~59歳の被雇用者3000人から回答)によると、

   「現在の勤務先はいわゆる『ブラック企業』だと思うか」という質問に対し、「思う」と答えたのは26.9%で、被雇用者の約4人に1人が自分の勤務先をブラック企業だと思っているという実態が明らかになった(2014年11月28日発表)。

   世代別にみると、20代で32.7%、30代30.5%、40代25.9%、50代18.6%で、若い世代の方がブラック企業にいるという意識が強いことがわかった。

   勤務先がブラック企業だと思う理由の1位は「長時間労働が当たり前になっている」(52.2%)で、「仕事に見合わない低賃金である」(46.3%)、「有給休暇が取得できない」(37.4%)と続いた。中には「自主退職への追い込み・強要が行われている」(13.9%)、「労災隠しが行われている」(8.2%)と明らかに違法な理由もあった。

   また、勤務先をブラック企業だと思っている人は、仕事のことが原因で「ストレスを感じる」経験をした人が95.2%だった。「体の不調を感じる」(79.5%)、「心の不調を感じる」(79.0%)という項目も高い割合が出た。

   一方で、勤務先がブラック企業だと感じつつ転職活動を行っていない人(全体の約22%)に、そこにとどまっている理由を聞いたところ、「再チャレンジが難しい(転職先が見つからない不安)から」が51.5%と最多で、「転職活動する時間がないから」(38.7%)、「どこも似たような環境だと思う(転職しても好転しない不安)から」(37.0%)と続いた。

「ワードがひとり歩きしてるだけ」の声も

   この調査結果に対するネットの反応を見ると、「うちもブラック企業だ」と賛同する声もあるが、

「職場への不満をブラックって言ってるだけ。 そして、こういう人たちは、転職しても同じことをいう」
「自分の思い通りにならない企業がすべてブラックだと認識している方も多い最近。ワードがひとり歩きしてるだけだな」

などと、「ブラック企業」の認定基準に疑問を呈する人も多い。要は気持ちの問題だというわけだ。

   もっとも、「4人に1人」が「多すぎる」「大げさすぎる」としても、違法状態の長時間労働や残業代不払いが横行する「ブラック企業」が存在しない訳ではない。厚生労働省の「若者の『使い捨て』が疑われる企業等への重点監督の実施状況」(2013年12月発表)によると、

「長時間労働等により精神障害を発症したとする労災請求があった事業所で、その後も、月80時間を超える時間外労働が認められた事例」
「月100時間を超える時間外労働が行われていたにもかかわらず、健康確保措置が講じられていなかった事例」
「賃金が、約1年にわたる長期間支払われていなかったことについて指導したが、是正されない事例」

などが指摘されている。「気持ちの問題」の一言だけで片付けてよい話ではなさそうだ。(MM)

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