前回に続き、テーマは「大学の先生になる方法」。基本的に理系の話ね、それも医学部とかじゃなく。
今は昔と違い、教員の欠員が出た場合や新規の学部などを立ち上げた場合、国公私立とも「公募」という形で採用者を決めることが多い。その分野の学会誌やホームページ、メーリングリストなどで、「こういうポジションで、こういう分野で、こうゆう人が欲しいんだよ」と広報する。つまり、広く人材を求めるわけである。国立大学でも、例えば教授が退職した場合、後任はそこの「准教授」ではなく公募になる・・・のが原則なんだけどなぁ~。色々と大人の事情があって、結局「准教授」が昇任することもあるようだが。
「博士号」ストレートで行っても27歳に
つまり、この「公募」に応募して選ばれれば晴れて大学の教員となれる・・・と言うは簡単、でも、なかなかこれが大変である。まず資格であるが、最近では「助教」でも「博士号」を持つことが要求される。博士号をとる為には、学部卒業後、大学院に最低博士前期課程2年、さらに博士後期課程に3年在籍して取得するというのが標準。ちなみに博士号を目指さない人は、博士前期課程が修士課程という名前に変わり、2年間で修士号を取ることになる。こちらが、普通の院卒というやつ。
博士号を取るとなると、ずーっとストレートで行っても27歳になってしまう。それに、大学院に5年行ったからといって自動的に博士号が取れるわけではない。「権威ある学術誌」に一定数以上の論文が発表されていること、などの規定が大学ごとにある。ねっ、博士号を取るのも大変でしょう。でやっと、「助教」に応募できるってわけ。あくまで「応募できる」だけであって、簡単に「助教」になれるわけではない。また、「ポスドク」(研究室で研究、給料は出る)なんて立場もあるが、任期付き例えば2年とかだったりする。
それにしても、博士号を取るために(早くても)27歳まで大学院生という立場も、正直つらいものがあるかもしれない。基本的には無収入という立場。
学部を卒業したリケジョが
「高校の友達なんてもう結婚して、子供が居るんです~、焦っちゃいます~」
なんて言っていたが、まだ22歳である。
もし、27歳まで頑張っていると
「高校の友達の子供が今度小学校にあがるんです~、もう焦りなんて通り越しちゃいました~」
となるんだろうか。まあ、でも昨今の女性の平均初婚年齢も29歳(2011年、厚労省調査)らしいので、焦る必要はないか。
「私はこの人と結婚するのです」
という訳で、リケジョ、リケダンの大学の先生の子供って、親の年齢の割に小さい子が多い。定年が早いか、子どもの成人式が早いか、なんて状態がわりと普通。つまり、結婚が遅いわけね。まあ、やっと定職にありつけるのが30歳前後ではなぁ~。実際に「待ってました」とばかりに結婚する人もいる。一方で、この大学院の5年の間に破局が訪れる事もある。よくあるのが、
○「彼氏を捨てて大学院に進学しました」というリケジョ
○「博士後期課程まで行くといったら彼女に逃げられました」というリケダン
なぜか、逆はあまり無い気がする。
そうか、でも、一度、研究室の飲み会に見知らぬ女性が憤怒の形相で
「私はこの人と結婚するのです。この人は博士(後期)課程には行きません」
と怒鳴り込んで来たことがある。彼氏のリケダンは、彼女をなだめすかすのに大変だった。
しかし、私に宣言されてもなぁ~。ちなみにその二枚目のリケダン、無事に博士後期課程に進学した。その彼女とどうなったかは関知していないが。
え~っと、ところで何の話だったっけ・・・そうだ、「大学の先生になる方法」だ。また結論にたどりつかなかったな。それだけ「遠い道のり」なのだ、などと軽く言い訳をしつつ、次回こそは「完結編」という事で。(プロフェッサーXYZ)